スーザン・ケイの『ファントム』
2013/09/09
私の一番好きなミュージカルは、『オペラ座の怪人』で、ジェラルド・バトラー主演の映画にもハマったクチなのですが。
それに関連して、スーザン・ケイの『ファントム』を読みました。
この本自体を読んだのは、初めてではありません。
4年ほど前に買って、一度、最初から最後まで読んで、とても感動したのを覚えています。
それで、ブログに感想を書こうと思っていたものの、なんやかんやでそのままになっていました。
…で、このあいだ、W.アーヴィングの『アルハンブラ物語』を読みおわったので、久しぶりにこの本をとりだして読んでみることにしました。
ちょうど読みおわったので、今度こそ、感想を書こうと思います。
以下、ネタバレを含みますので、OKな方のみどうぞ↓↓↓
それに関連して、スーザン・ケイの『ファントム』を読みました。
![]() | ファントム〈上〉 (扶桑社ミステリー) (1994/09) スーザン ケイ 商品詳細を見る |
![]() | ファントム〈下〉 (扶桑社ミステリー) (1994/09) スーザン ケイ 商品詳細を見る |
この本自体を読んだのは、初めてではありません。
4年ほど前に買って、一度、最初から最後まで読んで、とても感動したのを覚えています。
それで、ブログに感想を書こうと思っていたものの、なんやかんやでそのままになっていました。
…で、このあいだ、W.アーヴィングの『アルハンブラ物語』を読みおわったので、久しぶりにこの本をとりだして読んでみることにしました。
ちょうど読みおわったので、今度こそ、感想を書こうと思います。
以下、ネタバレを含みますので、OKな方のみどうぞ↓↓↓
スポンサーサイト
『アルハンブラ物語』
2013/08/21
今日も暑いです…
さて、今日は、たまには読書感想なんかを書いてみたり…
正直なところ、私は、読書家ではまったくないので、本業ではたくさん本を読むのですが、趣味で本を読むことはあんまりありません。
…で、家には積読の山があったりなんかするのですが、4月以来、その解消に努めているわけで。
それで、先日、ようやくワシントン・アーヴィングの『アルハンブラ物語』を読みおわりました。
すごく有名な本なので、ご存知の方も多いでしょうね。
この本は、去年、アンダルシアに旅行する前に、予習用に買っていて、旅行までに全部読もう…と思っていたものです。
…が、ま、いろいろ旅行準備とかも忙しくて、結局、下巻の途中まで読んだところで出発日を迎えてしまい、そのままに…。
それで、今度は、まあ…旅行から半年以上経過してしまったわけですが、「復習」に最初から読み返すことにしたわけで。
あらためて読み返してみると、予習としてはもちろん、この本を読んでいくと、実際にアルハンブラを訪れたときに、「これがあの…」なんて思ったりしたし、そういう予備知識があるとより深く鑑賞できるのですが。
ただ、行く前に読む場合、宮殿内の部屋の位置関係とかそれぞれの雰囲気、庭園の雰囲気なんていうのは分からないので、いまいちイメージがつかみにくい部分があったんです。
でも、実際にそこを訪れたあとに読んでみると、経験としてそういう部分を知ってるし、実際のその場所の雰囲気とか空気感も感じたあとなので、すごくイメージがしやすくて、行く前に読んだ時よりも、ずっと読みやすかったし、おもしろく思いました。
アルハンブラを訪れる方は、予習と復習、最低2回は読むのがおすすめです。
***
ところで、この物語は、19世紀前半にグラナダを訪れたアメリカ人作家のアーヴィングが、そこで見聞きしたことを綴ったものです。
当時、そこに暮らしていた人びとのこともあれば、そうした人びとから聞いた、当地の民間伝承を採録した章もあります。
随所にウィットを感じさせる文章で、書かれている内容もさることながら、アーヴィングという人の人間的魅力にも魅せられました。
それから、なんといっても、スペイン、それもアンダルシア地方の魅力。
グラナダは、15世紀末までイスラム王朝に支配されていたがゆえに、オリエント的要素と西洋的要素が良い具合にミックスされた、独特の魅力をもつ街です。
そういうわけで、アーヴィングが伝えてくれる民間伝承も、アラビアン・ナイトのような幻想的でオリエント的魅力に満ちています。
アーヴィングの文章は、他のヨーロッパ諸国とはひと味もふた味も違う、スペインという国の魅力をあますところなく伝えていて、この本がきっかけで、アルハンブラへのツーリズム熱が高まったというのもうなずけます。
そんな独特のロマンティシズムとぴりっとしたウィットが良いバランスでまぜあわされているところが、良かったです。
読書感想文とか苦手なクチだったんで、全然、この本の素晴らしさを伝えられてないですね(汗)
***
さて、私にとってスペインというのは、長らく、さして興味のない国でした。
何せ、中学生のころからフランスひと筋できていて、途中、オーストリアに浮気しつつも、基本的に私の興味関心の対象は、もっぱらフランスにそそがれていて、ピレネーの向こう側には興味がなかったんです。
それが、数年前から、いろんな理由が複合的にあわさって、気づいたらスペインの魅力にとらわれていました(笑)
…もちろん、フランスは、私にとって、ずっと特別でありつづけているんですけどね。
去年、実際にスペインに旅行してみて思ったのは、やっぱり他のヨーロッパ諸国とはまったく違うなぁ…ということ。
同じラテン系の国とはいえ、フランスとスペインじゃ、本当に違います。
もちろん、国境地方なんかは似ているところもあるわけですが、アンダルシアは、ほんとに片足をオリエントに突っ込んだような雰囲気があって、そういう東西文化の混在こそが、他にはないオリジナリティを形成しているんだと思います。
…って、これ、旅行ブログのほうに書いたら良かった(大汗)
あっちのブログは、1か月以上更新せずに放置してるんだよね…。。
最後におまけ。


さて、今日は、たまには読書感想なんかを書いてみたり…

正直なところ、私は、読書家ではまったくないので、本業ではたくさん本を読むのですが、趣味で本を読むことはあんまりありません。
…で、家には積読の山があったりなんかするのですが、4月以来、その解消に努めているわけで。
それで、先日、ようやくワシントン・アーヴィングの『アルハンブラ物語』を読みおわりました。
すごく有名な本なので、ご存知の方も多いでしょうね。
![]() | アルハンブラ物語〈上〉 (岩波文庫) (1997/02/17) W. アーヴィング 商品詳細を見る |
![]() | アルハンブラ物語〈下〉 (岩波文庫) (1997/02/17) W. アーヴィング 商品詳細を見る |
この本は、去年、アンダルシアに旅行する前に、予習用に買っていて、旅行までに全部読もう…と思っていたものです。
…が、ま、いろいろ旅行準備とかも忙しくて、結局、下巻の途中まで読んだところで出発日を迎えてしまい、そのままに…。
それで、今度は、まあ…旅行から半年以上経過してしまったわけですが、「復習」に最初から読み返すことにしたわけで。
あらためて読み返してみると、予習としてはもちろん、この本を読んでいくと、実際にアルハンブラを訪れたときに、「これがあの…」なんて思ったりしたし、そういう予備知識があるとより深く鑑賞できるのですが。
ただ、行く前に読む場合、宮殿内の部屋の位置関係とかそれぞれの雰囲気、庭園の雰囲気なんていうのは分からないので、いまいちイメージがつかみにくい部分があったんです。
でも、実際にそこを訪れたあとに読んでみると、経験としてそういう部分を知ってるし、実際のその場所の雰囲気とか空気感も感じたあとなので、すごくイメージがしやすくて、行く前に読んだ時よりも、ずっと読みやすかったし、おもしろく思いました。
アルハンブラを訪れる方は、予習と復習、最低2回は読むのがおすすめです。
***
ところで、この物語は、19世紀前半にグラナダを訪れたアメリカ人作家のアーヴィングが、そこで見聞きしたことを綴ったものです。
当時、そこに暮らしていた人びとのこともあれば、そうした人びとから聞いた、当地の民間伝承を採録した章もあります。
随所にウィットを感じさせる文章で、書かれている内容もさることながら、アーヴィングという人の人間的魅力にも魅せられました。
それから、なんといっても、スペイン、それもアンダルシア地方の魅力。
グラナダは、15世紀末までイスラム王朝に支配されていたがゆえに、オリエント的要素と西洋的要素が良い具合にミックスされた、独特の魅力をもつ街です。
そういうわけで、アーヴィングが伝えてくれる民間伝承も、アラビアン・ナイトのような幻想的でオリエント的魅力に満ちています。
アーヴィングの文章は、他のヨーロッパ諸国とはひと味もふた味も違う、スペインという国の魅力をあますところなく伝えていて、この本がきっかけで、アルハンブラへのツーリズム熱が高まったというのもうなずけます。
そんな独特のロマンティシズムとぴりっとしたウィットが良いバランスでまぜあわされているところが、良かったです。
読書感想文とか苦手なクチだったんで、全然、この本の素晴らしさを伝えられてないですね(汗)
***
さて、私にとってスペインというのは、長らく、さして興味のない国でした。
何せ、中学生のころからフランスひと筋できていて、途中、オーストリアに浮気しつつも、基本的に私の興味関心の対象は、もっぱらフランスにそそがれていて、ピレネーの向こう側には興味がなかったんです。
それが、数年前から、いろんな理由が複合的にあわさって、気づいたらスペインの魅力にとらわれていました(笑)
…もちろん、フランスは、私にとって、ずっと特別でありつづけているんですけどね。
去年、実際にスペインに旅行してみて思ったのは、やっぱり他のヨーロッパ諸国とはまったく違うなぁ…ということ。
同じラテン系の国とはいえ、フランスとスペインじゃ、本当に違います。
もちろん、国境地方なんかは似ているところもあるわけですが、アンダルシアは、ほんとに片足をオリエントに突っ込んだような雰囲気があって、そういう東西文化の混在こそが、他にはないオリジナリティを形成しているんだと思います。
…って、これ、旅行ブログのほうに書いたら良かった(大汗)
あっちのブログは、1か月以上更新せずに放置してるんだよね…。。
最後におまけ。

靴下にゃんこ
2012/05/14
今さらながら?、「靴下にゃんこ」がMyブーム。
最近、うちの母が近所の本屋さんで本↓を買ってきたのがきっかけ。
4巻なんですが、靴下にゃんこがパリへ行く編…的な感じで、気になって買ってきたらしい。
「靴下にゃんこ」というのは、リラックマと同じサンエックスからグッズが出ているキャラクターで、本はそのキャラクターブックのような感じ。
中身は、オールカラーで、コマが小さなストーリー・マンガと4コマ・マンガの2種類。
子供向け…かと思いきや、読んでみると、ネコ好き向け。
いや…ネコ・マニア向けか。
ネコの習性とか、ネコ・マニアの心理をかなり正確に描写していて、「これ、分かる!」とか「そうそう、これこれ!」とか、「うちの子もこれしてた!」とか、共感しまくり。
おまけに、にゃんこの絵とかしぐさとかセリフが可愛くて、ネコ・マニアのうちの母と私は、読みながら悶絶(笑)
ほっこり癒されるストーリーも素敵で、とにかくハマっています。
最初に母が買ってきたのが4巻だったので、このあいだ、1巻と2巻も調達。
ネコ・マニアは読んでみて損のないシリーズだと思います
![]() | 靴下にゃんこ―毎日なんだかシアワセ (2008/03) トヤ ヨシエ 商品詳細を見る |
最近、うちの母が近所の本屋さんで本↓を買ってきたのがきっかけ。
![]() | 靴下にゃんこ〈4〉裏路地の奥はタソガレ (2011/03) トヤ ヨシエ 商品詳細を見る |
4巻なんですが、靴下にゃんこがパリへ行く編…的な感じで、気になって買ってきたらしい。
「靴下にゃんこ」というのは、リラックマと同じサンエックスからグッズが出ているキャラクターで、本はそのキャラクターブックのような感じ。
中身は、オールカラーで、コマが小さなストーリー・マンガと4コマ・マンガの2種類。
子供向け…かと思いきや、読んでみると、ネコ好き向け。
いや…ネコ・マニア向けか。
ネコの習性とか、ネコ・マニアの心理をかなり正確に描写していて、「これ、分かる!」とか「そうそう、これこれ!」とか、「うちの子もこれしてた!」とか、共感しまくり。
おまけに、にゃんこの絵とかしぐさとかセリフが可愛くて、ネコ・マニアのうちの母と私は、読みながら悶絶(笑)
ほっこり癒されるストーリーも素敵で、とにかくハマっています。
最初に母が買ってきたのが4巻だったので、このあいだ、1巻と2巻も調達。
ネコ・マニアは読んでみて損のないシリーズだと思います

『物語 ストラスブールの歴史』を読みました。
2010/04/11
ひさびさに、読書ネタです
あやうく積読しかけてたこちらの本↓。
学校への行き帰りに読みつづけて、やっと読みおわりました。
タイトルは、『物語 ストラスブールの歴史―国家の辺境、ヨーロッパの中核』。
中公新書から、去年出た本です
どうしてこの本を読んだかというとですね、
①フランスに関する新書はとりあえずおさえときたいから
②ストラスブールという街に興味があるから
…です。
ストラスブールというのは、かなり有名な街なのでご存知の方も多いかとは思いますが、フランス北東部のアルザス地方の中心都市です。
アルザス地方は、西(=フランス側)はヴォージュ山脈、東(=ドイツ側)はライン河に挟まれた細長い地方。
北のバ=ラン県(“ライン河の下流”)と南のオー=ラン県(“ライン河の上流”)という2つの県によって構成されていて、ストラスブールは北のバ=ラン県の県庁所在地でもあります。
ちなみに、南のオー=ラン県の県庁所在地は、観光地としてとっても有名なコルマールです。
「アルザス」…といえば、中世以来、ドイツとフランスのあいだで何度も帰属が入れ替わった地方として知られていますよね。
神聖ローマ帝国(ドイツ)→フランス→ドイツ帝国(=第二帝国)→フランス(=第三共和政)→ドイツ(ナチス)→フランス…で、今にいたる、と。
そんな複雑な経緯をもつアルザスの中心都市であるストラスブールは、激動の歴史に翻弄された街の1つ。
そして、その激動の歴史をあとづけたのが、この本です
中公新書からは、この本と同じような『物語 ○○の歴史』シリーズが出ていますが、私はどれもまだ読んだことがなくて、今回がはじめてでした
「物語」とかついてるし、新書(=一般向け)だし…とか思って、わりと読みやすい軽めの本を想像してたら、えらい目にあいました
予想と違って、かなり読み応えがある本で、さらっとは読めなかったです。
時代としては、紀元前から現在まであつかっていて、領域も政治から経済、社会、文化まで、ほんとに幅広いので、まあ概説といえば概説なんですが…。
本格的な概説とでも言いましょうか。
とにかく、こう…がっつり取り組まないといけない、っていうような新書でした。
詳しい感想を書くのもアレなんで、印象に残ったことをちょっとだけ。
その1
読みおわったあとに、1番印象に残ったのは、上に書いたような激動の歴史のただなかで、ストラスブールという街がとってきた対応というか、反応でした。
本の中では、必ずしもこういう言葉は使われてなかったと思いますが、私の中で消化すると、「不器用で人間臭いしなやかさ」…という表現が似合うように思いました。
ストラスブールは、戦争のたびに、ドイツからフランスへ、そしてフランスからまたドイツへ…ということを繰りかえしてきたわけですが、併合された直後はやっぱり抵抗や反感が大きくて。
でも、だんだん年月が経つにつれて、そういうネガティブな反応がだんだん薄れていって、新しい環境の中で懸命に、そして巧妙に繁栄の道を模索していくわけです。
帰属が変わるたびに、すぐにコロコロと態度を豹変させるわけじゃないけど、かといって新しい環境を拒否しつづけるわけでもない(拒否しつづけることはかえって不利益だから)。
神聖ローマ帝国からフランスに変わったとき、「うちはドイツだから!」とあれほどフランスに拒否反応を示していたのに、200年ほど後には、ふたたびドイツに戻ることを嫌がるまでにフランスに根づいていた…。
そこに、ストラスブールという街の人間臭さがあるように思いました。
そういうもんだよね、って。
その2
もう1つ印象的だったのは、ライン河流域を含むライン経済圏の商業都市としてのストラスブールの顔。
そこでは、ストラスブールは、単にフランスあるいはドイツの国境に位置する辺境の街、そしてそうであるがゆえに軍事的要衝としての防壁の街ではないわけで。
経済的なつながりをもとに考えると、ヨーロッパを縦に縦断する広域経済圏の1つの中核都市としての側面が見えてくるわけです。
そしてもちろん、それに接続する東西の横のつながりも。
そうすると、ストラスブールは壁の街じゃなくて、ヨーロッパの経済をつなぐ十字路の街になるわけです。
そこでは、ストラスブールは、ドイツの街でもなく、フランスの街でもなく、ヨーロッパの街になるわけです。
そんなストラスブールの顔は、国家というものの力が強くなる中で、制約を受けてきたわけですが、ヨーロッパの経済統合が進む現在、またストラスブールはヨーロッパの街としての顔を強くもつようになってきた…それが印象的でした。
***
さて、ストラスブールおよびアルザスには、私も2年ほど前に行ったわけですが(2年前の記事)。
この本を読んで、また行きたくなりました。
2年前は、予備知識を大してもたずに行ったんですが、この本を読むと、いろいろ歴史的背景が分かって、何倍も楽しめそう
なので、ストラスブール旅行の前に読むのにも良いと思います!

あやうく積読しかけてたこちらの本↓。
学校への行き帰りに読みつづけて、やっと読みおわりました。
![]() | 物語 ストラスブールの歴史 - 国家の辺境、ヨーロッパの中核 (中公新書) (2009/10/26) 内田 日出海 商品詳細を見る |
タイトルは、『物語 ストラスブールの歴史―国家の辺境、ヨーロッパの中核』。
中公新書から、去年出た本です

どうしてこの本を読んだかというとですね、
①フランスに関する新書はとりあえずおさえときたいから
②ストラスブールという街に興味があるから
…です。
ストラスブールというのは、かなり有名な街なのでご存知の方も多いかとは思いますが、フランス北東部のアルザス地方の中心都市です。
アルザス地方は、西(=フランス側)はヴォージュ山脈、東(=ドイツ側)はライン河に挟まれた細長い地方。
北のバ=ラン県(“ライン河の下流”)と南のオー=ラン県(“ライン河の上流”)という2つの県によって構成されていて、ストラスブールは北のバ=ラン県の県庁所在地でもあります。
ちなみに、南のオー=ラン県の県庁所在地は、観光地としてとっても有名なコルマールです。
「アルザス」…といえば、中世以来、ドイツとフランスのあいだで何度も帰属が入れ替わった地方として知られていますよね。
神聖ローマ帝国(ドイツ)→フランス→ドイツ帝国(=第二帝国)→フランス(=第三共和政)→ドイツ(ナチス)→フランス…で、今にいたる、と。
そんな複雑な経緯をもつアルザスの中心都市であるストラスブールは、激動の歴史に翻弄された街の1つ。
そして、その激動の歴史をあとづけたのが、この本です

中公新書からは、この本と同じような『物語 ○○の歴史』シリーズが出ていますが、私はどれもまだ読んだことがなくて、今回がはじめてでした

「物語」とかついてるし、新書(=一般向け)だし…とか思って、わりと読みやすい軽めの本を想像してたら、えらい目にあいました

予想と違って、かなり読み応えがある本で、さらっとは読めなかったです。
時代としては、紀元前から現在まであつかっていて、領域も政治から経済、社会、文化まで、ほんとに幅広いので、まあ概説といえば概説なんですが…。
本格的な概説とでも言いましょうか。
とにかく、こう…がっつり取り組まないといけない、っていうような新書でした。
詳しい感想を書くのもアレなんで、印象に残ったことをちょっとだけ。

読みおわったあとに、1番印象に残ったのは、上に書いたような激動の歴史のただなかで、ストラスブールという街がとってきた対応というか、反応でした。
本の中では、必ずしもこういう言葉は使われてなかったと思いますが、私の中で消化すると、「不器用で人間臭いしなやかさ」…という表現が似合うように思いました。
ストラスブールは、戦争のたびに、ドイツからフランスへ、そしてフランスからまたドイツへ…ということを繰りかえしてきたわけですが、併合された直後はやっぱり抵抗や反感が大きくて。
でも、だんだん年月が経つにつれて、そういうネガティブな反応がだんだん薄れていって、新しい環境の中で懸命に、そして巧妙に繁栄の道を模索していくわけです。
帰属が変わるたびに、すぐにコロコロと態度を豹変させるわけじゃないけど、かといって新しい環境を拒否しつづけるわけでもない(拒否しつづけることはかえって不利益だから)。
神聖ローマ帝国からフランスに変わったとき、「うちはドイツだから!」とあれほどフランスに拒否反応を示していたのに、200年ほど後には、ふたたびドイツに戻ることを嫌がるまでにフランスに根づいていた…。
そこに、ストラスブールという街の人間臭さがあるように思いました。
そういうもんだよね、って。

もう1つ印象的だったのは、ライン河流域を含むライン経済圏の商業都市としてのストラスブールの顔。
そこでは、ストラスブールは、単にフランスあるいはドイツの国境に位置する辺境の街、そしてそうであるがゆえに軍事的要衝としての防壁の街ではないわけで。
経済的なつながりをもとに考えると、ヨーロッパを縦に縦断する広域経済圏の1つの中核都市としての側面が見えてくるわけです。
そしてもちろん、それに接続する東西の横のつながりも。
そうすると、ストラスブールは壁の街じゃなくて、ヨーロッパの経済をつなぐ十字路の街になるわけです。
そこでは、ストラスブールは、ドイツの街でもなく、フランスの街でもなく、ヨーロッパの街になるわけです。
そんなストラスブールの顔は、国家というものの力が強くなる中で、制約を受けてきたわけですが、ヨーロッパの経済統合が進む現在、またストラスブールはヨーロッパの街としての顔を強くもつようになってきた…それが印象的でした。
***
さて、ストラスブールおよびアルザスには、私も2年ほど前に行ったわけですが(2年前の記事)。
この本を読んで、また行きたくなりました。
2年前は、予備知識を大してもたずに行ったんですが、この本を読むと、いろいろ歴史的背景が分かって、何倍も楽しめそう

なので、ストラスブール旅行の前に読むのにも良いと思います!
つんどく。
2008/11/09
読書の秋です
…というわけで、決意しました。
微妙にたまりつつある「積読(つんどく)」を解消しよう!
何気に、私…本を買っておいて読まずに放置ってことを、結構やっちゃうタイプです
本屋さんに行くと、なんかタイトルとかに心惹かれてつい買っちゃうんだけど、時間がなかったり、いざっていうと読む気がおこらなかったりして…。
そんなこんなでたまってる本、つい最近まで6冊ほどありました。
どんな本を積読してたかっていうと…とりあえず列挙。
…完全に私の趣味が分かってしまいますね
しかし…内容は雑多だなぁ
新書好きなので、新書が多いです。
新書ってお手軽に読めるので、電車の行き帰りに読んだりするのにぴったり
本屋さんでタイトル見て、気になったのとかを買ってる感じです。
最近のお気に入りは、上の積読リストからも分かるように、中公新書
おもしろいテーマのが結構あります。
ちなみに、小説は読まないのかって話なんですけど、うーん…実のところ、ほとんど読みません。
かといって小説が嫌いってわけではまーったくありません。
…むしろ好き。
でも、なぜか小説は買わない…なぜ???
その分、暇があればネット小説とか読んだりするんですけどね。
ちなみにちなみに、なんだかお堅い(?)本ばっかり読んでるみたいに思われるかもですが(…っていうか、ここに載せてるのは「読んでない」本なんだけど
)、本はわりと堅めのものを読むかわりに、マンガを結構読んでたりします。
何を隠そう、無類のマンガ好きな私…。
あ、映画に関してはめちゃくちゃマニアックな私ですけど、マンガに関してはマニアックではないです。
なので、「オタク」っていうような部類に属しているわけじゃありません、念のため。
ついでに言っとくと、私が読むのは少女(?)漫画限定。
男の子向けとか男性向け系のはなぜだか読んだことがないんですよねー。
さて、本題に戻ると、これら積読してた6冊ですけど、ここ1ヶ月ほどでそのうちの3冊は読み終えました!
どれを読んだかっていうと、上の新書3冊。
残り3冊はいまだ読めてません…
それにしても…モーツァルト・ファンとか言っときながら、2冊も積読してる私って…
読んだ上3冊…どれもそれなりにおもしろかったですよ
1番おもしろかったのは、『アメリカの世界戦略』かな。
これを読んで、アメリカにも興味が湧いてきました。
…と、やっと積読を3冊解消することに成功したわけですが、このあいだ本屋さんに寄ったときに、あらたな積読候補を増やしてしまいました
(おいおい…)
買ったのは、この本↓
まだ読んでいないので内容についてはコメントできないんですけど、なんか21世紀の世界はこうなる…的な内容みたいです。
大学での研究の関係で、この著者の名前を知っていたこともあって、興味を持ちました。
著者はフランスの知識人で、かつては政府の中枢にいたこともある人なんですよね。
表紙の折り返し部分の紹介によると、この本はフランスでベストセラーになって、サルコジ大統領はこの著者に政策提言委員会みたいなのを作らせたとかなんとか。
そんなわけで、そういう人が21世紀の世界に対してどういうビジョンを持ってるのかな…ってのが見どころかなって思って買ったんですが。
かなーり分厚いので、はてさていつ読めることやら。

…というわけで、決意しました。
微妙にたまりつつある「積読(つんどく)」を解消しよう!
何気に、私…本を買っておいて読まずに放置ってことを、結構やっちゃうタイプです

本屋さんに行くと、なんかタイトルとかに心惹かれてつい買っちゃうんだけど、時間がなかったり、いざっていうと読む気がおこらなかったりして…。
そんなこんなでたまってる本、つい最近まで6冊ほどありました。
どんな本を積読してたかっていうと…とりあえず列挙。
![]() | 拡大ヨーロッパの挑戦―アメリカに並ぶ多元的パワーとなるか (中公新書) (2004/06) 羽場 久美子 商品詳細を見る |
![]() | アメリカの世界戦略―戦争はどう利用されるのか (中公新書 1937) (2008/03) 菅 英輝 商品詳細を見る |
![]() | パリとセーヌ川―橋と水辺の物語 (中公新書 1947) (2008/05) 小倉 孝誠 商品詳細を見る |
![]() | モーツァルト―音楽における天才の役割 (中公新書) (1992/11) H.C.ロビンズ ランドン 商品詳細を見る |
![]() | 作曲家 人と作品 モーツァルト (作曲家 人と作品) (2005/10/01) 西川 尚生 商品詳細を見る |
![]() | ヨーロッパ統合史 (2008/04) 遠藤 乾 商品詳細を見る |
…完全に私の趣味が分かってしまいますね

しかし…内容は雑多だなぁ

新書好きなので、新書が多いです。
新書ってお手軽に読めるので、電車の行き帰りに読んだりするのにぴったり

本屋さんでタイトル見て、気になったのとかを買ってる感じです。
最近のお気に入りは、上の積読リストからも分かるように、中公新書

おもしろいテーマのが結構あります。
ちなみに、小説は読まないのかって話なんですけど、うーん…実のところ、ほとんど読みません。
かといって小説が嫌いってわけではまーったくありません。
…むしろ好き。
でも、なぜか小説は買わない…なぜ???
その分、暇があればネット小説とか読んだりするんですけどね。
ちなみにちなみに、なんだかお堅い(?)本ばっかり読んでるみたいに思われるかもですが(…っていうか、ここに載せてるのは「読んでない」本なんだけど

何を隠そう、無類のマンガ好きな私…。
あ、映画に関してはめちゃくちゃマニアックな私ですけど、マンガに関してはマニアックではないです。
なので、「オタク」っていうような部類に属しているわけじゃありません、念のため。
ついでに言っとくと、私が読むのは少女(?)漫画限定。
男の子向けとか男性向け系のはなぜだか読んだことがないんですよねー。
さて、本題に戻ると、これら積読してた6冊ですけど、ここ1ヶ月ほどでそのうちの3冊は読み終えました!
どれを読んだかっていうと、上の新書3冊。
残り3冊はいまだ読めてません…

それにしても…モーツァルト・ファンとか言っときながら、2冊も積読してる私って…

読んだ上3冊…どれもそれなりにおもしろかったですよ

1番おもしろかったのは、『アメリカの世界戦略』かな。
これを読んで、アメリカにも興味が湧いてきました。
…と、やっと積読を3冊解消することに成功したわけですが、このあいだ本屋さんに寄ったときに、あらたな積読候補を増やしてしまいました

買ったのは、この本↓
![]() | 21世紀の歴史――未来の人類から見た世界 (2008/08/30) ジャック・アタリ 商品詳細を見る |
まだ読んでいないので内容についてはコメントできないんですけど、なんか21世紀の世界はこうなる…的な内容みたいです。
大学での研究の関係で、この著者の名前を知っていたこともあって、興味を持ちました。
著者はフランスの知識人で、かつては政府の中枢にいたこともある人なんですよね。
表紙の折り返し部分の紹介によると、この本はフランスでベストセラーになって、サルコジ大統領はこの著者に政策提言委員会みたいなのを作らせたとかなんとか。
そんなわけで、そういう人が21世紀の世界に対してどういうビジョンを持ってるのかな…ってのが見どころかなって思って買ったんですが。
かなーり分厚いので、はてさていつ読めることやら。