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『リプリー』を観ました。

2007/11/23
前々回の記事でちょこっと書きましたが、ついに『リプリー』のDVDを買っちゃったんですよね
そう、ダヴェンポートさん主演の…じゃなかった、出演のあの映画です

ブログでさんざんダヴェンポートさんのファンだー…とか書きながら、私は『リプリー』をいまだに観ていなかったんですよね
情けなや…

というのも、うちの家の近くにはレンタル・ビデオ屋さんがなくってですね、かといってDVDを買うには金欠だったりで…。
しかも、ハッピーエンド推奨派の私としては、DVDを買ってまで観るべきか…悩んでたんですよね

ですが、結局、半ば衝動買いで買ってしまいました。
日本語字幕付で観ることができる、数少ない貴重なダヴェンポートさん出演作ですからね

…というわけで、今日は『リプリー』の感想を語ろうと思います。
ちなみに、ネタばれありまくりですので、未見の方はご注意を

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えーっと、まずですね…全体的な感想はというと、思ってたよりは悪くなかったですね。

超微妙な終わり方なので、「面白い映画」とは言いがたいですけど、「興味深い映画」だったと思います。
何て言ったらいいのか、「よくできてるなぁ」という感じ
登場人物の心情が丁寧に描かれている印象でしたね。

主人公のリプリーは、自分のことを卑下していて、自分のことが愛せない。
そんなときに、あらゆる意味で恵まれたディッキーと出会う。
「太陽」のようなディッキーに対する思いは、憧れからはじまって独占欲にも似た歪んだ愛情へと変わり、ついには激しい嫉妬へと変わっていく。
それが雪だるま式に不幸を呼んでしまうわけで…。

自分の人生が順風満帆じゃないからって、自分を偽って他人になりすます…っていうリプリーの行為は、すごく安易で自己中心的。
ディッキーになりすますために彼が行った労力をもってすれば、地味だけどもっとまともな人生が送れたはず。
リプリーは、そうするかわりに、すでに存在する恵まれた人生を乗っ取ろうとしたわけですよね。
それが何回もの殺人につながるわけだから、リプリーっていうのは最低な奴…なんだけど。

でも、映画を観てると、なぜだかリプリーに共感してしまいました。
リプリーは犯罪者で、彼が警察やらフレディやらに追及されることは歓迎すべきなのに、リプリーが捕まってほしくない…。
特にフレディなんて、よく考えたら友達想いのイイ奴なのかもしれないのに、すっごく嫌な人間に思えましたよ…

それには、特典映像でスタッフやキャストが言ってたように、この映画がリプリー視点で進んでいくから…というのもあるでしょうね。
それから、リプリーの行為っていうのは極端すぎるけど、他人を羨ましく思う…っていうのは、誰しもが持ちうる感情ですよね。
もっと美人に生まれたらよかったのに…とか、もっとお金持ちだったら…とか、もっと頭がよかったら…とか。
そんなことを思っても仕方のないことだし、そんなことを思う暇があったらより良い自分になるために努力した方が有意義なのは分かってても、つい思ってしまう。
これって人間の本性なんでしょうかね?

だからこそ、観てる側の私たちは、リプリーに感情移入してしまう。

逆に、お金持ちで美しい恋人にも恵まれているディッキーには感情移入はできませんでした。
上流階級に生まれた彼は、リプリーとは違った意味でまた自己中心的で、傲慢で、残酷で…。
だけど、あらゆる人間を魅了する魅力の持ち主なんですよね。
マージやフレディ、リプリーは、みんな彼に魅了されてるわけで。

彼には彼なりの苦悩があるのかもしれないし、リプリーが見ている「ディッキー」は虚像にすぎないのかもしれない。
でも、物語はあくまでリプリー視点で進んでいくから、ディッキーに共感することはできないんですよ。

ある意味、ディッキーは、私たち人間が嫉妬を感じる対象を具現しているのかも…なんて思いました。

とりあえず、物語の中心となる2人について書きましたが、『リプリー』では、主要な登場人物すべてが重要な役割を果たしているなぁ…と思います。

まずは、グウィネス・パルトロウが演じるマージ。
インタビューでグウィネス自身だったかが言ってましたが、マージは、物語の中では数少ない、自分に正直な女性ですよね。
ディッキーへの愛情に盲目なのかと思いきや、彼女だけが、リプリーの正体に早くから気づき始める。
まわりがリプリーの嘘に翻弄される中で、実はマージは冷静に物事を判断しているわけです。
結局、彼女の言い分は取り合ってもらえないけど…。

それからケイト・ブランシェットが演じるメレディス。
個人的にケイトが好きなので、注目してしまいました
ガラドリエル様やエリザベス1世みたいな神秘的で荘厳なキャラクターも似合いすぎるくらい似合うけど、お嬢様姿も可愛くて素敵
ほんとに彼女はどんな役柄でもこなしてしまうので、脱帽です

さてさてメレディスについてですが、彼女も、リプリーに騙されている1人。
お金持ちの家に生まれ育って、窮屈さを感じている彼女は、ディッキーになりすますリプリーを、自分と同じ境遇をもつ人間として共感し、惹かれるわけですね。
でも、メレディスの見ているリプリーは偽りの姿。
最後、リプリーとメレディスは再会しましたが、お互いの思いは平行線をたどるしかないんじゃないでしょうか?

ただ、思ったのは、メレディスが本物のディッキーに出会っていたとして、彼女は果たしてディッキーに惹かれたのだろうか…ということ。
私の個人的な意見ですけど、それはNoなんじゃないかと思います。
ディッキーになりすまし、卑屈な部分を脱ぎ捨てたリプリー…これこそが、彼女が惹かれた相手ですよね。
それは、ディッキー本人でもなければ、リプリー自身でもない。
だから、逆に、普段のリプリーに対して、彼女が惹かれたかどうか…というのも疑問です。

それから
もったいぶって(?)しまいましたが、ついにわれらがダヴェンポートさんの登場ですよ

ダヴェンポートさんが演じるピーターは、物語の後半にならないと登場しないので、いつ登場するのかとわくわくしながら観てました(笑)
すると…いきなり盛装でのご登場しかも笑顔で
この映画…基本的にテンションの上がる物語ではないので、一気に私のテンションは急上昇しました

ピーターの役についてですが、「あっけなく死んじゃう」…っていうようなことを聞いてたので、出てきたときから、いつ殺されるのか…とびくびくしながら観てました
そしたら、最後の最後まで生き永らえてたので、もしやピーターが死んじゃうっていうのは私の思い違いとかすかに期待したら、やっぱり死んじゃいましたね…
でも、それなりに重要な役目を果たした最期だと思うので、まあ仕方ないでしょうか…。

それにしても、ピーターはほんとに「いい人」ですよね
リプリーが何か暗い過去と人に言えない秘密を抱えている…と分かっていながら、天使のような心で彼を受け入れようとしている。
リプリーが心を開いてくれることを願って、リプリーのことを大切に想っていた彼までが殺されてしまう…というのは、残念なことです。
結局、リプリーは、「トム・リプリー」という1人の人間を(変な意味じゃなく)愛してくれた人までも葬ってしまったわけですよね。

う~ん…リプリーはどうしてピーターを殺してしまったんでしょう?
メレディスに正体がばれてしまうから?
犯罪者だということが明るみに出てしまうから?
そんな単純な話でもないような気もしますが…。

最後、曖昧な終わり方で、その後のリプリーがどうなったのかが分からないんですけど、何人の人間を殺しても、彼自身が考え方を改めないかぎり、救いは訪れないんじゃないでしょうかね?
リプリーのことを愛してくれる人間があらわれても、彼自身が自分を愛さないかぎり、彼は幸せにはなれない。
そういう意味で、この映画のメッセージは、偽りのない自分を愛することの大切さ…なのかな、と思いました。

おっと、話がそれてしまいました
ダヴェンポートさん&ピーターの話に戻りましょう。

というわけで、『リプリー』におけるダヴェンポートさん素敵ポイントを一挙公開

・服装が素敵
…ピーターが一体どういう素性の人なのか…ってとこがまったく分からないんですが、上流階級の人たちとお付き合いしてるだけあって、彼の服装はきちんとしてます。
オペラでの盛装(黒のタキシードだっけ?)、警察署でのスーツ姿、ヴェネツィアでのダッフル・コート姿…などなど、いずれも長身に貴族的な容貌のダヴェンポートさんにお似合いです
特に、私的には、警察署でのスーツ姿がカッコよかったです
スーツ姿…好きなんですよ(笑)
それから、ダッフル・コートも
基本的に、ダヴェンポートさんって、コートが似合いますよね
フロック・コートしかり。
トレンチ・コートとか、正統派~なカシミアの黒コートなんかも似合いそうですけど、このダッフル・コートだと、キマりすぎるんじゃなくてちょっと可愛らしさみたいなのもプラスした感じで素敵でした

・イタリア語
…警察署のシーンでは、ダヴェンポートさんがイタリア語のセリフを披露。
いつものクイーンズ・イングリッシュも素敵ですが、レアなイタリア語も良し
あの声なので、どんな言語も様になってしまいます
フランス語なんていうのもきっと素敵に違いない

・歌うダヴェンポートさん
…ラスト近く、ギリシアへ向かう船の上で…たしかに歌ってましたよね
リプリーと一緒に、大声をはり上げて。
できれば1人で歌ってほしかったりとかするんですけど(ダヴェンポートさんボイスを堪能するため・笑)、歌うダヴェンポートさんが堪能できただけでも『リプリー』を観た甲斐がありました

あ、ちなみに、ダヴェンポートさんが演じるピーターとマット・デイモンが演じるリプリーが同性愛関係なのか…ってとこですけど、私はそうじゃないと思いました。

ピーター→リプリーは、何ていうか、「人間愛」?
ピーターって、なんかマージじゃないけど、「博愛主義者」って感じがするんですよね。
性善説を信じてそうなタイプ(笑)
だからリプリーのことも信じていて、人間としての「愛情」を感じてる。

一方のリプリー→ピーターも、同性愛的な愛情じゃないと思うんですよ。
リプリー→ディッキーもそうですけど、友情の歪んだ形って感じ。
自分で自分を愛せなくて孤独だと思い込んでるリプリーが、一方的に向ける強すぎる友情。
愛されたい…と思うあまり、それが独占欲にもつながって歪んでしまった結果、半ば同性愛みたいにも見えるくらいの愛情になってしまってる…そう思いました。

っていうか、リプリーは結局どうなるんでしょう???
ピーターを殺した時点で、そろそろ逃げ切れなくなってしまうんじゃないかと思うんですが。
船の上だしね。
でも、ピーターを殺したということは、リプリーは、「ディッキー」として生きる道を選んだ…ということなんでしょうかね?
だとしたら、本当に救われない人生です。
そもそも、彼は、いろんな嘘をついてまで、自分やディッキーを知る人たちが住むイタリアにとどまるんじゃなくて、さっさと逃げてしまえばよかったんですよね。
でも、あえてそれをしなかったのは、あくまでディッキーの人生に乗っかることで、幸せになろうとしたからじゃないでしょうか?
でも、そういう考え方でいるかぎり、リプリーは救われないんですよね…。

ほんと、いろいろと考えさせられる映画でした。

そんなとこですかね。
とにかく、ダヴェンポートさんファン的には、一見の価値があるんじゃないかと思います。
お話は暗くて救いがたい感じなので、ブルーな気分のときにはオススメできませんが

そうそう、どうでもいい話ですけど、お話の中で、ジュード・ロウが演じるディッキーがペタンクらしきゲームをしてて、ちょっと笑えてしまいました。
ペタンクっていうと、フランスなんかでお年寄りがやってるイメージなんですよ
それをあのジュード・ロウが…と思うと(笑)
ちなみに、私自身、ペタンクはやったことがあって好きなんですが

おっと、非常に長々と書いてしまいました
ここまで読んでくださった方、本当にご苦労様でした&ありがとうございます

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