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『物語 ストラスブールの歴史』を読みました。

2010/04/11
ひさびさに、読書ネタです

あやうく積読しかけてたこちらの本↓。
学校への行き帰りに読みつづけて、やっと読みおわりました。

物語 ストラスブールの歴史 - 国家の辺境、ヨーロッパの中核 (中公新書)物語 ストラスブールの歴史 - 国家の辺境、ヨーロッパの中核 (中公新書)
(2009/10/26)
内田 日出海

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タイトルは、『物語 ストラスブールの歴史―国家の辺境、ヨーロッパの中核』。
中公新書から、去年出た本です

どうしてこの本を読んだかというとですね、

①フランスに関する新書はとりあえずおさえときたいから
②ストラスブールという街に興味があるから

…です。

ストラスブールというのは、かなり有名な街なのでご存知の方も多いかとは思いますが、フランス北東部のアルザス地方の中心都市です。

アルザス地方は、西(=フランス側)はヴォージュ山脈、東(=ドイツ側)はライン河に挟まれた細長い地方。
北のバ=ラン県(“ライン河の下流”)と南のオー=ラン県(“ライン河の上流”)という2つの県によって構成されていて、ストラスブールは北のバ=ラン県の県庁所在地でもあります。
ちなみに、南のオー=ラン県の県庁所在地は、観光地としてとっても有名なコルマールです。

「アルザス」…といえば、中世以来、ドイツとフランスのあいだで何度も帰属が入れ替わった地方として知られていますよね。
神聖ローマ帝国(ドイツ)→フランス→ドイツ帝国(=第二帝国)→フランス(=第三共和政)→ドイツ(ナチス)→フランス…で、今にいたる、と。

そんな複雑な経緯をもつアルザスの中心都市であるストラスブールは、激動の歴史に翻弄された街の1つ。

そして、その激動の歴史をあとづけたのが、この本です

中公新書からは、この本と同じような『物語 ○○の歴史』シリーズが出ていますが、私はどれもまだ読んだことがなくて、今回がはじめてでした

「物語」とかついてるし、新書(=一般向け)だし…とか思って、わりと読みやすい軽めの本を想像してたら、えらい目にあいました
予想と違って、かなり読み応えがある本で、さらっとは読めなかったです。

時代としては、紀元前から現在まであつかっていて、領域も政治から経済、社会、文化まで、ほんとに幅広いので、まあ概説といえば概説なんですが…。
本格的な概説とでも言いましょうか。
とにかく、こう…がっつり取り組まないといけない、っていうような新書でした。

詳しい感想を書くのもアレなんで、印象に残ったことをちょっとだけ。

その1

読みおわったあとに、1番印象に残ったのは、上に書いたような激動の歴史のただなかで、ストラスブールという街がとってきた対応というか、反応でした。
本の中では、必ずしもこういう言葉は使われてなかったと思いますが、私の中で消化すると、「不器用で人間臭いしなやかさ」…という表現が似合うように思いました。

ストラスブールは、戦争のたびに、ドイツからフランスへ、そしてフランスからまたドイツへ…ということを繰りかえしてきたわけですが、併合された直後はやっぱり抵抗や反感が大きくて。
でも、だんだん年月が経つにつれて、そういうネガティブな反応がだんだん薄れていって、新しい環境の中で懸命に、そして巧妙に繁栄の道を模索していくわけです。

帰属が変わるたびに、すぐにコロコロと態度を豹変させるわけじゃないけど、かといって新しい環境を拒否しつづけるわけでもない(拒否しつづけることはかえって不利益だから)。
神聖ローマ帝国からフランスに変わったとき、「うちはドイツだから!」とあれほどフランスに拒否反応を示していたのに、200年ほど後には、ふたたびドイツに戻ることを嫌がるまでにフランスに根づいていた…。
そこに、ストラスブールという街の人間臭さがあるように思いました。
そういうもんだよね、って。

その2

もう1つ印象的だったのは、ライン河流域を含むライン経済圏の商業都市としてのストラスブールの顔。

そこでは、ストラスブールは、単にフランスあるいはドイツの国境に位置する辺境の街、そしてそうであるがゆえに軍事的要衝としての防壁の街ではないわけで。
経済的なつながりをもとに考えると、ヨーロッパを縦に縦断する広域経済圏の1つの中核都市としての側面が見えてくるわけです。
そしてもちろん、それに接続する東西の横のつながりも。

そうすると、ストラスブールは壁の街じゃなくて、ヨーロッパの経済をつなぐ十字路の街になるわけです。
そこでは、ストラスブールは、ドイツの街でもなく、フランスの街でもなく、ヨーロッパの街になるわけです。

そんなストラスブールの顔は、国家というものの力が強くなる中で、制約を受けてきたわけですが、ヨーロッパの経済統合が進む現在、またストラスブールはヨーロッパの街としての顔を強くもつようになってきた…それが印象的でした。


***

さて、ストラスブールおよびアルザスには、私も2年ほど前に行ったわけですが(2年前の記事)。

この本を読んで、また行きたくなりました。

2年前は、予備知識を大してもたずに行ったんですが、この本を読むと、いろいろ歴史的背景が分かって、何倍も楽しめそう

なので、ストラスブール旅行の前に読むのにも良いと思います!
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22:19 読書 | コメント(0) | トラックバック(0)
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