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『きみがぼくを見つけた日』感想。

2012/07/24
昨日は、BSジャパンで放送された映画『きみがぼくを見つけた日』を観ました

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レイチェル・マクアダムス、エリック・バナ 他

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いやいや…しかし、BSジャパンは、なかなか素敵な映画を選択してくれる、貴重なチャンネルですね
このあいだの『オーケストラ!』といい、ね。

この『きみがぼくを見つけた日』は、エリック・バナ×レイチェル・マクアダムスのラブ・ストーリー。
ベストセラー小説の映画化、『ゴースト/ニューヨークの幻』の脚本家による映画だそうで。

ラブ・ストーリーとはいっても、タイムトラベルもので、ひとくせもふたくせもある作品です。

いわゆるハッピーエンドとは違うので、後味爽やか…というわけにはいきませんが。
もどかしさと切なさ、そして最後はホロリとさせながらも、温かさを感じさせてくれる映画でした。

以下、少々ネタバレありで、感想を書きます↓
…原題は、『The Time Traveler's Wife(タイムトラベラーの妻)』。
このタイトルが、映画のストーリーをストレートに表しています。

でも、日本語タイトルの『きみがぼくを見つけた日』のほうが、映画の本質的な部分をよく表現した、詩的で素敵なタイトルだと思いますけどね。

原題から分かるように、エリック・バナ演じる主人公のヘンリーは、タイムトラベルする能力の持ち主。
物語は、そんな彼が、レイチェル・マクアダムス演じるクレアと運命的な出会いを果たすけれど…というストーリー。

クレアは、6歳の頃から、頻繁に未来からタイムトラベルしてくるヘンリーを知っており、彼を運命の相手と信じて、タイムトラベルすることなく同じ時間軸上でヘンリーと出会う日を待っていたわけで。
そんな2人がついに出会ったところから、物語が動き出します。

そう言うと、ベタな感じですが、この物語では、ヘンリーとクレアが結ばれるまでは、意外とあっさり。
物語の重点は、2人が結婚したあと、ヘンリーの能力ゆえの苦悩、変えることのできない運命の中で生きていく2人と彼らをとりまく家族の愛におかれています。

タイムトラベルというと、「そんな能力があったらいいな」…なんて思うような、ポジティブな能力のように考えがちですが。
本作では、その能力は、むしろ2人の幸せを阻む障害。
そうでありながら、時に幸せをもたらしてくれることもあるような、そんな能力として描かれています。

…というのも、ヘンリーのタイムトラベル能力にはいくつかルールがあるようで。

①まず、いつタイムトラベルをするか、は本人の意思とは関係がない。したがって、本人がまったく望んでいない状況で、突然別の時代、別の場所に突然飛ばされる。
…だから、結婚式の直前に突然姿を消してしまったり、クリスマスとニューイヤーの間、新妻を残してどこかへ行ってしまったり。

②どの時代のどの場所に飛ばされるか、も本人の意思とは無関係。したがって、タイムトラベルで行きたい時代、行きたい場所を選ぶことはできない。

③タイムトラベルするときは、本人の身体のみが時空間を移動。したがって、洋服はその場に残り、タイムトラベルした先では裸で出現するので、洋服を現地調達しなければならない。

④タイムトラベル能力は、遺伝子による。したがって、その遺伝子を受け継いだ子供にもタイムトラベル能力が備わり、胎児のときにタイムトラベルが起こるゆえに、クレアは頻繁に流産するはめになる。

…と、まあそんな感じ。

おまけに、タイムトラベルものでありがちな、過去や未来を変える…ということは、一切できない…という設定。
だから、ヘンリーが6歳のときに事故で亡くなった母親を助けることはできないし、自分の死期を知ったところで、それを回避することもできない。

すでに起こってしまった過去を変えるということは、それに伴って未来をも変えてしまうことになるので、できない…というのはまだしも。
これから起こるはずの未来すら変えられない…というのは、なんとも切ない話で。

本来、未来というのは、まだ起こっていないので、自分が作っていくもの、変えられるもの…なはずなのですが。
この映画では、未来に起こる出来事も、すでに起こっている、起こるべくして起こる…ことなので、一切手をつけられない。

つまり、運命は最初から決まっていて、人間には一切それを変えることはできない…というような、一種の運命論的世界観が貫かれているのです。

だから、ヘンリーは、タイムトラベル能力によって、自分の死期を知るのですが、彼に許されるのは、それを知って、覚悟することだけ。
目の前に迫った死という未来を、自分の意思によって変えることはできません。

分かっているのに、変えられない…なんてことほど、無力でもどかしいことはありません。
…そんなタイムトラベル能力ならいらない…。

ある意味、ヘンリーとクレアの人生は、その能力に翻弄されたようなもの。

でも、だからこそ、彼は、突然死んでしまう前に、愛する妻や友人に、自分の愛や感謝を伝えることができる。
そして、そのタイムトラベル能力によって、本来なら会えないはずの家族に会って、伝えきれなかった愛を伝えることができる。

…というように、この映画では、運命づけられた世界の中で、無力に生きるヘンリーが、タイムトラベル能力によって、本来なら会えないはずの愛する家族と会うという奇跡的な時間を手に入れる…というところがポイントなのではないかと。

そういう場面は3つほどあって、1つには、大人になったヘンリーが6歳のときに亡くなった母親に会う場面、そして2つ目は、ヘンリーが亡くなったあと10歳になった娘のアルバに会う場面、そして3つ目は、ヘンリーが亡くなったあと9歳になったアルバと妻のクレアに会う場面。

それは、本当なら手に入れられないはずの時間であり。
こうなると、「死」というもののもつ意味が相対化されるようでもあるのですが。

そんな奇跡的な時間の温かさが、印象に残る映画でした。

エリック・バナとレイチェル・マクアダムスのコンビも、役柄によくはまっていました。

***

まあ、ただ、時間軸があっちいったりこっちいったりする映画なので、ややこしいったら。
ストーリーを追うぶんには問題ないのですが、頭で整理しようとすると、こんがらがってしまいます。

たとえば、クレアは、6歳の頃から、未来からやってきた大人のヘンリーと知り合いで、彼を運命の相手と疑わず、20代になって実際にヘンリーと知り合うのを心待ちにしていたのですが。

クレアのもとにタイムトラベルしてきていたヘンリーは、同じ時間軸上でクレアと知り合いになって以後のヘンリー。
つまり、クレアと知り合いになって、結婚したあとのヘンリーが、過去のクレアに会いにいっていたわけです。

…そういうと簡単そうですが。

でも、じゃあ未来のヘンリーがクレアにタイムトラベルで会いにいっていなければ、クレアがヘンリーを運命の相手と信じて待つこともなかっただろうし、それならクレアがヘンリーと会っても深い仲にならなかったんじゃ…??
そうしたら、クレアと結婚もしていない未来のヘンリーがタイムトラベルで過去のクレアに会いに行くこともないし…???

つまり、ヘンリーとクレアが結婚―ということと、未来のヘンリーと過去のクレアがタイムトラベルで知り合う―ということが、卵が先か鶏が先か…というループにはまってしまうわけで。
それは、時間遺伝子の異常?についての博士の説が、ヘンリーが考えたことなのか、博士が考えたことなのかが、タイムトラベルによって分からなくなった…と、ヘンリー自身が言っていたのと同じことなんだと思います。

ま、結局、この映画では、未来の出来事はすでに決まっている…ということなので、「もし…」ということが存在しないわけですから、そういうループな問題は考えてもナンセンスなのでしょうが。

***

それにしても、この映画は、本当にもどかしい。

結局、ヘンリーは博士と知り合ったけれど、何一つそれによって得たものはない…というか、結局、遺伝子が原因と分かっても、それを直すことはできなかったわけだし。

タイムトラベルによって未来が分かっても、何もそれを変えることができず、運命を甘受するしかできないわけだし。

それでも、最後は救いがあるというか、温かなものも感じさせてくれて終わったので良かったです。

***

そういえば、ヘンリーが死後の妻と娘に会いに行く場面。

それって、生きている頃のヘンリーがタイムトラベルして会いに行ってるわけで。

クレアは、それを待ってる…と言っていたけれど。

死後の世界に何度タイムトラベルをしたか、亡くなるときのヘンリーは知っていることですよね。
死んだあとの彼がタイムトラベルすることはできないので、その回数は、すでに決まっているわけで。
彼は、「待つ人生は送ってほしくない」と言っていたから、それをあえて伝えなかったんだろうけれど。

死後の世界にタイムトラベルしたのは、クレアが妊娠中に10歳のアルバに会ったときがはじめてだから。
それ以後、5年間くらいにどれくらいタイムトラベルしたか…ってところですよね。

どれくらいしたんだろう??

***

ところで、最後に。

新婚生活の場面で、ヘンリーとクレアの住まいにかけられたインテリア?の布。
なぜか日本語のポップ字体っぽいフォントで、「クリスマス商戦」って書いてあった。

それを読めない外国の方は、何もおかしいとおもわないんだろうけど…。
日本人の私には、ツッコミどころに思えます…。

そうそう、この映画…クリスマスが何度も出てくるんです。

クリスマス映画だったのかな?
ロマンティックだしね。

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15:03 映画感想 | コメント(0) | トラックバック(0)
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