FC2ブログ
08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

映画『魔笛』を観てきました☆

2007/08/05
今日は、『ワールド・エンド』以来ひさびさに映画館に行ってきました

何を観たかというと…


この前の記事でも書いた、モーツァルトのオペラ『魔笛』の映画版。

魔笛 [DVD]魔笛 [DVD]
(2008/01/25)
ジョセフ・カイザー、エイミー・カーソン 他

商品詳細を見る


今週は、月曜日には生のオペラ上演で、今日は映画で…と『魔笛』ウィークな私。モーツァルトLOVEな私にとっては、幸せな一週間でした


詳しい感想などは「続きを読む」以下に書きますが、一言で言うと、この映画は素晴らしかったです

かなり翻案されてるにもかかわらず、原作のエッセンスは十分に伝わってきました。それに、モーツァルトの音楽にあわせた映像もとても美しくて、見た目にも楽しめる映画でした。もちろん、音楽については言うまでもありません。まったく問題がないわけではありませんが、オペラとしても、映画としても、良い出来ばえなんじゃないかと思います。

…というわけで、ネタバレありの詳しい感想はコチラ↓
(といっても、『魔笛』のストーリーを知ってる人にとっては、ネタバレっていうほどのこともないかも…)

そんなわけで映画版『魔笛』についてですが…

感想に入る前に、まずは基本情報を。

監督:ケネス・ブラナー
製作国:イギリス、フランス
キャスト:ジョセフ・カイザー(タミーノ)
     エイミー・カーソン(パミーナ)
     ルネ・パーペ(ザラストロ)
     リューホフ・ペドロヴァ(夜の女王)
     ベン・デイヴィス(パパゲーノ)
     シルヴィア・モイ(パパゲーナ)他
指揮:ジェームズ・コンロン
演奏:ヨーロッパ室内管弦楽団

さらに詳しい情報はコチラ↓

公式サイト
ウィキペディア:映画『魔笛』

さて、この映画。オペラを映画化したものなわけですが、もちろん普通のドラマにしたわけではなく、歌また歌の完全なるオペラ映画です。原作のオペラ『魔笛』は、ジングシュピール(歌芝居)と呼ばれるだけあって、かなり多くの地のセリフ(つまり歌ではない)が入ってるんですが、この映画版では、時間の都合なのか、地のセリフは少なかったです。

まあ、そんなわけで、オペラ映画だけあって、冒頭はもちろん序曲から始まります。この序曲の場面、映画の中ではイントロのような扱いになっており、映画版『魔笛』の世界観を映像で説明するための良い導入になっています。

この映画版『魔笛』は、原作の舞台であるエジプトではなく、第一次世界大戦中のヨーロッパを舞台にしています。というわけで、序曲のシーンで映るのは、花の咲く野原に延々と続く塹壕や戦闘機、軍隊、大砲…などなど戦争の場面。この映像…序曲の音楽のテンポや雰囲気にすごく上手に合わせた動きになっていて、とてもよかったですモーツァルトの音楽に現代の戦場…という一見ミスマッチな組み合わせにもかかわらず、まったく違和感なし!!さすがケネス・ブラナー!と思ってしまいました

ちなみにこの序曲…ラストのエンド・クレジットでも流れます。まあ、エンド・クレジットで使える曲って、結局序曲くらいなんでしょうけど、序曲で終わるのってちょっと不思議(笑)

で、冒頭の序曲が終わると、オペラ『魔笛』と同じく、タミーノの「助けて!」の場面になるわけですが…ココで私は衝撃を受けました…。なんと歌が英語だったんです!イギリス映画なんだから英語なのは当然かもしれませんが、オペラの場合、原語を使うことの方が普通なので、私はこの映画でもドイツ語歌唱だと思い込んでたんですよ…。だから、タミーノが「Help me!」だったかなんかって歌い始めたときには、びっくりしました。

そんなわけで、この映画『魔笛』は、全編英語。セリフだけじゃなく歌も英語です。『魔笛』の英語歌唱版なんて聴いたことがなかったので、何だか新鮮に感じました。

それにしても…英語はやっぱり軽いですね
私はドイツ語はさっぱりなので余計にそう思うのかもですが、オリジナルのドイツ語歌唱はなんと言うか重みがあるんですよ。でも、英語版で聴くと、意味が分かっちゃう上に、ドイツ語に比べると滑らかな発音になるので、軽いなぁ…と感じました。あ、でも、それが悪いって言ってるんじゃないですよ好みから言えば、オリジナル版の方が好きですが、英語版も意外と悪くはないと思いました。最初はかなり違和感を感じましたが、だんだんと聴きなれてくると、違和感もなくなっていきましたそもそも、ドイツ語と英語で似た単語(「ハルモニー」と「ハーモニー」など)の部分はそれを入れ替えた形にしたり、名前の部分はそのままの位置に残したりして、もとの歌詞とメロディーの組み合わせを最大限生かしてあったと思います。しかも、「フム、フム、フム…」の五重唱のラストの「アウフ・ヴィーダーゼン」は、一部ドイツ語のまま残してありましたしね←ココ好きなので嬉しかったです

それに、逆に英語ならではの良さも…
というのは、英語歌唱だと、軽くなった分、ドイツ語歌唱にありがちなオペラ臭さ(?)みたいなのが抜けて、まるでミュージカルのような雰囲気だったんですよこれだと、オペラに抵抗があるって人でも楽しめるんじゃないかと…。

ちなみに、歌詞の話が出たので、それについてもう少し。

この映画版『魔笛』は、上にも書いたように第一次大戦時代のヨーロッパを舞台にしてるんですよね。だから、オリジナルのリブレットを現代に合うように、ところどころ変えてありました。私はこういう面に関しては結構保守的な人間なので、あんまりオリジナルをいじらないで~!って思うほうなんですが、この映画版『魔笛』での改変は、そんな私から見ても、全然OKでしたそもそも、大きな変更が加えられてる部分って、「オシリスとイシスの神よ!」みたいな部分がメインなんですよ。この関連の歌詞は、まあ変えられても仕方ないかな、と。それに、私が重要だと思う部分の歌詞は、ほとんどそのまま英訳されてましたしね

映画版では、やっぱり戦争中を舞台にしてることもあって、「平和」というのが一つの大きなテーマになってます。ザラストロが目指してるのも殺戮を終わらせて平和を実現することだし、戦場に没した兵士たちの墓なんかも出てきます。私の好きな『戦場のアリア』という映画にも登場するクリスマス休戦を思わせるシーンもありますし、何よりも、ラストの大合唱は平和を讃える歌詞になってました。オリジナル版のリブレットでは、そこまで「平和」というのをテーマに押し出してるわけではないので、これは映画版の特徴だと思います。もちろん、オリジナル版のリブレットにもそれに似たような部分はありますけど、オリジナル版では「平和」というより「調和」かな?と思うんですよ。それに、オリジナル版では、やっぱり「愛」というのが最大のテーマですよね。映画版でも「愛」がテーマになってましたけど、どちらかというと「平和」のほうが重要視されてる感じでした。

この点に関しての私自身の感想としては、オリジナル版のように「愛」を最大のテーマにしたほうが良かったんじゃないかと思います。「平和」というのもすごく大切なテーマだし、それを扱うことはとても意義のあることだと思いますが、扱い方がちょっと直接的すぎてくどい感じがしました…特にラストの大合唱とか…「平和」ということを何度も連呼するんじゃなくて、それとなく余韻を残しながらほのめかす…くらいの方が感動すると思いませんか?それに、『魔笛』は「愛」をテーマにすることで、ある種の普遍性をもってると思うんですよね。「平和」というのも普遍的なテーマではありますが、「愛」に比べると限定的になるかな、と思います。

…と、こんなふうに書いてしまうと、なんだか不満げみたいですが、映画版『魔笛』は、オリジナル版のエッセンスをちゃんと汲み取りつつ、それを現代にも通用するものとして再構成していて、とても良い翻案だったと思います。
説明しすぎず解釈の自由を残していたり、リブレットの矛盾したようなストーリーを変えていなかったり…と、オリジナル版の多義性とか良い意味での曖昧さを、あえてそのまま残すことによって、『魔笛』本来のもつ豊かな多様性が表現できてましたしね

ただし、そのせいで、謎なままの部分も…

①ザラストロは一体何者だったんだ?…軍隊の将軍か何かなんでしょうね、多分。でも、なんで某シャンボール城とブロワ城を足して2で割ったみたいなでっかい城館にいるんだ!?そして、その城館に集ってる人たちは何者?

②映画版では、ザラストロは平和の実現のためにタミーノを利用しようと試練を受けさせたみたいなことがほのめかされてたけど、タミーノが試練を受けると、どうして平和になるの!?そのつながりが謎。

③いわゆる「イシスとオシリスの神に感謝を捧げよ」の部分で、ザラストロの背後にある壁みたいなのに、戦死者の名前が書かれてるんですけど、どうして日本人の名前が!?第一次では日本は参戦してないですよね?…まあ、コレに関しては、パンフにちょっとした解釈が書いてあったので、そこそこ納得。

他にもあるけど、まあいいや。



そうそう、『魔笛』といえばフリーメーソンですが、この映画版では、フリーメーソン的要素はわりと省かれてました。話がややこしくなるもんね…

タミーノとパミーナの試練も、戦場やらを舞台にしてるので、参入儀礼というよりは、愛と平和のための戦いっぽかったです。それに、それっぽい歌詞も結構変えられてましたしね。

ただし!それでもやっぱり消せない部分も…。

例えば、タミーノとパパゲーノが試練に入る前の目隠し。
それから、一番フリーメーソン的だったのが、オペラでいうと第1幕の終わりにあたる部分に出てきた、木組みの謎の物体が並んで出来た三角形の真ん中にまぶしい光が輝いてる映像。これは…!と思いました。ほんとにソレが意図されてるのかどうかは知りませんが、フリーメーソンの象徴である、三角形の中に目が書かれてる図像なんかに似てますよね~


それからキャストの方々についてですが…

オペラ映画ということで、メイン・キャストは全員オペラやなんかの歌手さんたちです。ザラストロ役にはバスの大物歌手ルネ・パーペという豪華キャストでした

ザラストロのアリアから、夜の女王のコロラトゥーラ、タミーノの絵姿アリア、パパゲーノのユーモラスなアリア…などなど、歌はもちろん素晴らしかったです

それから、歌が重要とはいえ、やっぱり映像で見るからには、ルックスも気になるところ。
その点についても、合格でした。

タミーノ役は王子っぽい(映画版では王子じゃないけど…)上品な顔立ちの方でしたし、パミーナ役も美人さん

パパゲーノ役も、なかなか美形ながら、無邪気な笑顔の似合うタイプで、パパゲーノ!って感じ

ザラストロ&夜の女王も、威厳があってぴったり。

それから3人の童子!!可愛らしい少年3人が演じていて、微笑ましかったですしかも、歌もすごく透明な声でよかったし


全編に渡ってよかったなぁ…と思ったのが、映像と音楽の合わせ方でした。序曲のところにも書きましたが、映像が、音楽にものすごくマッチしてるんですよ。ともすれば、歌ってる間って、動きがなくて映像的には退屈になりがちですが、そんなことは全然なかったです。映画版ですごく印象に残ったのが、常に動きがある…ということでした。くるくる回ったり踊ったり…そうすることで、オペラ映画にありがちな退屈さがなくてよかったです

ただし…夜の女王のコロラトゥーラの部分の映像は…かなりいただけませんでしたよ、私は。1回目はひたすら横顔の口だけが映り続けるし、2回目はなぜか激しく空を旋回…。ちょっとやりすぎ?


おっと…大変長くなってしまいましたが、映画版『魔笛』の感想はこんな感じかな?1回観ただけなので、あやふやな部分もありますが

いろいろ書きましたけど、映画『魔笛』は超オススメです
マイナー映画なので、地域によっては上映されてなかったり、もう上映が終わってたりしますが、興味のある方はぜひ見て損はないと思います。


それでは、最後にオマケ。

もしも『魔笛』をドラマ形式で映画化もしくは歌だけ吹き替えで映画化するなら(=オペラ歌手じゃなくて普通の俳優さんが出演)…の私的夢キャストです。ぴったりの人を探すのって難しい…

タミーノ:オーランド・ブルーム
…やっぱり「王子」役が似合うのはこの人しょっぱなから「助けて!」とか叫ぶヘタレな部分もあるタミーノには、『トロイ』のパリスで実績(?)のあるオーリーがお似合い!?

パミーナ:…難しい…キーラはちょっと強すぎるしなぁ…。アン・ハサウェイとかどうでしょう?

パパゲーノ:『LOTR』のピピン役のビリー・ボイドとか?

パパゲーナ:……

ザラストロ:私的にはジェレミー・アイアンズが一押し。賢者っぽいしね

夜の女王:ケート・ブランシェットorニコール・キッドマンで
…これはぴったりだと思うんですが。

こんな感じですね~。

ダヴェンポートさんにも出演してほしいけど、ぴったりの役がないですね『魔笛』以外だと、『フィガロ』のアルマヴィーヴァ伯爵とかどうでしょうね?女性にちょっかいを出しまくった挙句、召使いにさんざんやり込められて最後には夫人に許しを請う…というトホホな役ですけど、『カップリング』のスティーブのヘタレっぷりとノリントンの貴族っぷりが合体するとこうなる?



スポンサーサイト



00:51 映画感想 | コメント(0) | トラックバック(1)
コメント

管理者のみに表示
トラックバック
→→→ カリスマモデルのスーパーダイエット 気になりませんか?The importance of being ready映画『魔笛』のケネス・ブラナー監督に ...世界中で上演され続けているモーツァルトのオペラ『魔笛』を、ケネス・ブラナー監督(46)がこのほど完全映画化した。映画化に...