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『ミス・ポター』の感想

2013/05/19
昨日は、BSどこかのチャンネルで放送してた映画『ミス・ポター』を観ました

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レニー・ゼルヴィガー

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この映画…なんとなく記憶の片隅に残ってて、新聞のTV欄でタイトルを見たとき、何だっけ?…と思ったのですが、ピーター・ラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの伝記映画でした。

ちょっとお風呂に入ってたりして、最初の数十分を見逃してしまったのですが、惜しいことをした!…と大後悔。

イギリスの湖水地方の風景も綺麗だったし、これぞイギリス英語…っていう発音も素敵だったのですが、何よりもキャストが良かったです。

主人公のビアトリクス・ポターを演じるのは、レニー・ゼルヴィガー。
彼女は、アメリカ出身の女優さんなので、彼女の起用には反対意見もあったようですが、個人的には、イギリス人のビアトリクス・ポターの役どころがなかなかはまってるように思いました。
良家の娘ながら、縁談を断りつづけて、絵本を描くのに夢中になってる、ちょっと変わり者で若干垢ぬけない女性を魅力的に演じていました。

そして、ビアトリクスの描いた絵本を出版するウォーン社のノーマンを演じるのは、ユアン・マクレガー。
ノーマンとビアトリクスは、ピーター・ラビット・シリーズの絵本の出版を通じて急接近し、身分の差を越えて恋に落ちるのですが、レニー・ゼルヴィガー×ユアン・マクレガーの2人は、大人なんだけど可愛らしさもある、ロマンティックなカップルを演じていました。

ユアン・マクレガーは、『ムーラン・ルージュ』でも聴かせてくれた素敵な歌声を、この作品でも、ちょっとだけ披露してくれています。

詳しくは、以下に書きますが、いまだ身分や階級が大きな意味をもち、女性の社会進出が進んでいなかった時代を背景に、ビアトリクス・ポターという1人の女性が経験した愛や悲しみ、作品や自然への思いなどがバランスよく描かれていたと思います。
ま、少々物足りないところもありましたが、それはそれ。

イギリスを舞台にした作品だけに、ウィットに富んだ会話も楽しめました。

…と、ここからは、ネタバレありで感想を書きたいと思います。
ネタバレOK!…という方は、以下をどうぞ。

最初の数十分を見逃したので、ちゃんとした感想が書けないと思われますが…。

この映画は、ピーター・ラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの伝記映画です。
映画には、史実と異なる部分も多々あるようですが、これは映画の感想なので、あくまで映画のストーリーについて書きたいと思います。

映画では、彼女の一生を描いているわけではなく、子供時代を織り交ぜながらも、ピーター・ラビットの絵本の出版、それを通じた出版社のノーマン・ウォーンとミリーの姉弟との出会い、絵本の成功、ノーマンとの恋、ノーマンとの別れ、ロンドンを離れて湖水地方への移住、湖水地方の景観保護への目覚め…までに焦点を当てて描いています。

中でも、物語の中心になるのは、ピーター・ラビット誕生秘話…というよりは、ノーマンとのロマンスです。

ノーマンは、出版社ウォーン社のウォーン兄弟の下の弟で、経営者の兄たちの目論見で、失敗してもかまわない仕事ということで、ビアトリクスのピーター・ラビットの絵本の出版を担当することになります。

ちなみに、上2人のウォーン兄弟は、この時代の人にありがちな、リンカーンみたいなもみあげブラザーズなのですが、ノーマンはもみあげなし。
やっぱり、主人公の相手役がもみあげはマズイんでしょうか…。

ノーマン自身、ビアトリクスの描く絵本の世界に魅せられ、兄たちの思惑とは裏腹に出版された絵本は大成功。

絵本の出版を通じて、ビアトリクスとノーマンは急接近、ビアトリクスの良き理解者でもあったノーマンは、身分の差にもかかわらず、彼女に求婚します。

…が、ビアトリクスの両親は、身分の不釣り合いを理由に大反対。
反抗するビアトリクスに困った両親は、ポター一家が湖水地方で過ごす夏のあいだ離れていても気持ちが変わらなければ、二人の結婚を認める…と譲歩します。

そして、ビアトリクスは湖水地方に出発し、ノーマンと手紙をかわすのですが、やがてノーマンからの手紙が途絶え、心配しはじめたところに、ノーマンの姉で、ビアトリクスの親友、ミリーから、ノーマンが病気だという知らせが届きます。

あわててロンドンへと帰り、ウォーン家を訪ねたビアトリクスを待っていたのは、ノーマンの死の知らせ。

絶望したビアトリクスは、絵本すら手につかなくなってしまい、心配して訪ねてきたミリーに、ロンドンを去る決意を告げます。

…と、ロマンティックで素敵なビアトリクスとノーマンの恋は、あっけなく悲劇的な結末を迎えるわけですが。

このあたりは、少々、オドレイ・トトゥがココ・シャネルを演じたフランス映画『ココ・アヴァン・シャネル』を思わせる展開でした。

まあ、主人公であるビアトリクスと、ココ・シャネルのキャラクターはまったく違うのですが、愛する男性に愛される人生…というものをあきらめていた主人公がようやくそれを得ようとした途端に、相手の男性の死によって、その人生への道が閉ざされてしまう…というところが共通しているな、と。
そして、それをきっかけに、彼女たちの人生が変わる…そんな転機をなしているところが共通しているように思いました。

***

ところで、ビアトリクスは良家の娘なので、ノーマンと会うときは、かならず付き添いの老婦人ミス・ウィギンがいます。
そんな中で、お互いそこそこ良い年の2人が、じれったくて微笑ましいような愛情を育んでいくところは、可愛らしかったです。

特に、ポター家でのクリスマス・パーティーの場面は素敵でした。

プロポーズするために、ミス・ウィギンのティーカップにブランデーをたっぷり垂らすノーマンがお茶目で。
オルゴールのメロディに合わせてノーマンが歌う場面では、ユアン・マクレガーの素敵な歌声も聴けます。

湖水地方で夏を過ごすために列車に乗り込むビアトリクスを見送りにくるノーマンとの場面など、とにかくベタなのですが、ベタで何が悪い!…と思わせてくれます(笑)

ラブロマンスもの映画が苦手な人は、ちょっと気恥ずかしいというか、むず痒いかもしれませんね(笑)

***

…が、もうすぐ結婚できる…というときに、突然のノーマンの死ですよ。

ミリーから知らせを受けて、ビアトリクスがロンドンに戻ったときには、もうノーマンは逝ってしまったあとで。
死に際に会うことができなかったどころか、お葬式すら終わっていた…という始末。

ビアトリクスのショックは大きく、絵本すら描けなくなってしまい、それゆえ彼女はロンドンを離れ、湖水地方に移住することに。

このあたりは、なぜ…というところがはっきりとは示されていませんが、何らかの気持ちの切り替えが必要だった…ということなんでしょうね。
それに、ロンドンの屋敷の彼女の部屋には、ノーマンの思い出がありすぎたのかも…。

***

とにかくも、絵本の大成功で、莫大な印税を手にしていたビアトリクスは、湖水地方の農場を買い取り、そこに引っ越します。

湖水地方の豊かな自然の中で、少しずつ立ち直っていくビアトリクス。

そんな中、ビアトリクスを訪ねてきたミリーが、ビアトリクスがクリスマス・パーティーの日にノーマンに贈った思い出のピーター・ラビットの絵をもってきます。

これはなかなか心憎い演出で、さすがにうるっと来てしまいました。

***

ところで、ノーマンの死にショックを受けていたビアトリクスですが、湖水地方では新たな出会いも。

それは、彼女の幼馴染で、今は弁護士をしているウィリアム・ヒーリスとの再会。

最初のほうを見逃してるのでアレなんですが、ウィリアムは、ビアトリクスが幼いころに、絵本のネタになる絵を見せて、お話を聞かせていた年上のお兄ちゃんのような存在。

法律を学ぶためにロンドンへ行くと行っていた彼も、今は弁護士。
彼女が買い取った農場のことや、周辺の自然を守るために土地の競りに参加することになったビアトリクスを支えることになります。

そして、彼も、ビアトリクスが描く絵本の動物たちに理解があって、彼女の家を訪ねてきたときに、額に飾られた絵の中のキャラクターに話しかけたりしてるお茶目さん。

こうして再び良き理解者を得たビアトリクス。

物語の最後では、ウィリアムが「ヒーリスさん」というのは葬儀屋っぽいから「ウィリアム」とファーストネームで呼ぶように、ビアトリクスに頼むと、ビアトリクスも同じようにファーストネームで呼ぶように返し…。

そんなところで物語は終わるのですが、字幕で、ビアトリクスが8年後にはウィリアムと結婚したことが語られます。

やっぱりね…と思わせる展開。

ノーマンは、絵本出版という点で、ビアトリクスを支えた人でしたが、ウィリアムは、とりわけ自然保護という点で、ビアトリクスを支えた人というように描かれているみたいでした。

ユアン・マクレガーのノーマンも素敵でしたが、ウィリアムもなかなか素敵でした。
チェーンのついたかっちりした服装がお似合いで。

とにかく、ノーマンの死…ってところで終わっていたら、ほんとに悲劇的なのですが、ビアトリクスがノーマンの死から立ち直って、湖水地方で新たな人生を切り開いていくところで明るく終わっていたので、良かったです。

『ココ・アヴァン・シャネル』の場合は、立ち直って…というか、愛する男性の死をバネにして仕事で成功する…という感じではあったのですが、終わり方は唐突で後味微妙な部分がなきにしもあらず、だったのですが。
『ミス・ポター』の場合は、レニー・ゼルヴィガーのほんわかした笑顔の効果もあって、ほのぼのとした終わり方だったので、後味は良かったです。

***

ちなみに、映画の中では、ピーター・ラビットやあひるのジェマイマなどがアニメ的に動き出したりする場面も。

あらかじめそういう場面がある…とは聞いていたので、違和感あるかな…と思ってたのですが、意外と大丈夫でした。

いわゆるアニメじゃなく、ピーター・ラビットの絵柄なので、余計に違和感が薄かったのかも。

***

オーストラリア出身のクリス・ヌーナンが監督で、主演もアメリカ人のレニー・ゼルヴィガーですが、舞台がイギリスというだけでなく、ストーリー展開やセリフなどにも、全体にイギリスの香りが感じられる映画でした。

最初の数十分を見逃したのが惜しまれるので、また機会があれば最初から最後までちゃんと観たいです。
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