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『ホビット』原作、読みおわりました。

2013/07/01
ブログ開設6周年のミニ・アンケート、昨日で締め切りました。

忙しい中、投票してくださった皆さま、どうもありがとうございましたm(_ _)m

アンケート結果をなるほどー…と参考にしつつ、これからも管理人の気まぐれな興味にしたがって、いろいろな話題をマニアックに語っていきたいと思います。
どうぞ末永くおつきあいくださいませ。

***

さてさて、話題は変わりまして。

昨日は、およそ半年にわたって読みすすめていた『ホビットの冒険』原作の英語版を読みおわることができました!

常に6~7冊の本を同時並行的に読まなくてはならない…という個人的状況もありまして(大汗)、たった1冊の本を読みおえるのに、こんなにも時間がかかってしまいました。
LOTRファンの母のために、1文ずつ逐語訳しながら読んだこともあって、余計に時間がかかったという…。

オリジナルの英語版で読んだので、まあ私の読解力不足ゆえに、理解が間違っているところなんかもあるだろうな…ということで、邦訳版も近々読む予定ですw

***

さて、読みおわったところで、感想をば。

…って、半年もかかったゆえに、最初のほうはすでにほんのり忘れてしまっているという…(爆)

とりあえず、全体の感想をまず。

あ、もちろんネタばれあります。

***

『ホビットの冒険』は、『指輪物語』と違って、子供向けのシンプルで素直なお話…かと思ってたのですが。

いやいや、どうして…。
たしかに、『指輪物語』と比べれば、シンプルで子供向けなのかもしれませんが。

決して素直な話ではないな…というのが、私の感想でした。

『ホビット』は、基本的に、ドラゴンに住みかを奪われたドワーフたちとビルボが、ドラゴン退治に向かう…って話なわけですから、彼らがドラゴンを退治して、宝物を奪いかえして、その後は幸せに暮らしました…っていうのが、(面白味は薄いけれど)素直なストーリー展開…だと私は思うのですが。

そうはならないところが、この物語の魅力なんでしょうね、やっぱり。
良い意味でひねくれてる…そこが魅力。

だって、ドワーフたち+ビルボのドラゴン退治の物語のはずなのに、肝心のドラゴン=スマウグは、最後の最後になって突然出てきた、どこの馬の骨ともしれない―…ではなく、由緒正しい谷間の町の領主の正統な末裔である―バルドがあっさりと倒してしまうわけで。
なんだか肩すかしをくらったような展開…(笑)

…で、スマウグが退治されて、やったね、万歳…となるかと思いきや、今度は、解放された宝物をめぐって、ドワーフvs人間+エルフの戦いが勃発…するかと思いきや、ゴブリンとワーグがやってきて、対立していたはずの3軍は、とりあえず敵意は棚上げして、みんなの敵であるゴブリン+ワーグ連合軍と壮絶な戦いを繰り広げる…。

その戦いで、結局、トーリンと甥っ子2人は討死して、これまた最後になって登場したダインが山の下の王になる…と。

決して素直なストーリーではない…ように思います。
何だかんだで予想できない、意外性のある展開…そこが良いんですよね。

***

ところで、映画では、五軍の戦いは、かなり大規模なシーンになるようですが。

原作では、意外と結構あっさりしてましたね。
いや…壮絶は壮絶なんだけども。

まあ、文章で、延々戦いの場面ばっかり続くのは、退屈でしょうから。

五軍の戦いの場面がなかなか始まらないのに、残りページ数がものすごく少なくなっていって、最後どうなるんだろう??…と思いながら読んでいました。

あっさりといえば、五軍の戦いで、たとえばお荷物ボンブールはどうしてたか…とか、いろいろ語られていないことがあって、映画でそれをどう表現されるのか、楽しみなポイントでもあります。

特に、ドワーフについては、13人も登場するわりに、トーリン、バーリン、フィーリとキーリ、ボンブール…以外のドワーフは、かなり影が薄くて、どういう人物なのかいまひとつ分からないので、あと2作の映画で、彼らのパーソナリティや関係性をもっと掘りさげてくれるんじゃないか…と期待。

語られていないところでは、たとえば五軍の戦いで、フィーリとキーリがおじさんであるトーリンを守るために討死した場面で、それを見ていた(かもしれない)トーリンがどんな風に反応したか、とか気になります。
きっとトーリンにとってはすごくショックな場面だっただろうから、映画では涙を誘う場面になるんじゃないでしょうか?

あとは、ビルボが気絶しているあいだ、瀕死の重傷でテントに運ばれたトーリンはどうしていたのか…とか。
ビルボとのお別れの場面はありましたが、他のドワーフたちとのお別れもあったのかな…と。
それに、仲直りするためにビルボを連れてきてほしい…ってガンダルフに頼む場面もあったのかな…と。

このあたりを映画でどう表現してくれるのか、3作目が待ちきれません。
…って、まずは2作目ですけどね。

それにしても、すべて語られているわけではないがゆえに、想像力を大いに刺激してくれる原作です。

***

今、少し触れましたが、原作で1番印象に残ったのは、やっぱりトーリンの死の場面。

『指輪物語』も、最後、フロドが灰色港から出航する場面では、じーん…ときたのですが、こっちはある意味それ以上。
…ま、フロドは死んだわけじゃありませんから…。

「Farewell, good thief」っていうトーリンのセリフがすごくぐっときて、大好きなセリフです。

「thief(泥棒)」には、ビルボが「burglar」として冒険に参加したってことと、争いを避けるためにアーケン石を盗んだってことの両方の意味があるんでしょうけど、そこに「good」とつけてるところが心憎い。

死ぬ間際になって、トーリンは、ビルボを責めたことを後悔して、仲直りして旅立とうとするわけですが。

こんなときにもユーモアのあるトーリン。
ポジティブな意味をもつ形容詞とネガティブな意味をもつ名詞をセットで使った、思わずニヤリとさせる呼びかけです。

でも、そんなユーモアと、今にもこの世を後にしようとしている姿のコントラストが、哀しくて。

おまけに、トーリンが去ったあとのビルボの悲しみようがまた痛々しいほどで、余計に哀しく思いました。
毛布にくるまって泣きはらすビルボなんて、ちっちゃいだけにほんとに哀しい。

…まあ、原作だけ読むと、ビルボとトーリンのあいだに、ビルボがそこまで悲しむほどの深い関係があったっけ?…と若干思えなくもない部分も感じましたが、映画では、2人のあいだの信頼関係の構築(1作目の最後のあの感動的なシーンを含め、今後もそれは描かれることでしょう)から最後の破局にいたる心理描写をよりつっこんでやってくれるんじゃないかな?
そうしたら、なおさら2人のお別れの場面は泣けそう…。

それにしても、トーリンの最後は、ちょっとボロミア(とかセオデン)の最後に通じるところもあるような。

一度はダークサイド?に入りながらも、最後は勇敢に戦って名誉に包まれながら死ぬ…的な。

FOTRのSEEのボロミアの死の場面もすごく感動的だったから、特にボロミアのファンでもない私もじーんときました。

…ちなみに、個人的には、ドラゴンの病とはいえ、トーリンの一見すると強欲にも思える反応は、高潔ではないにせよ、彼の過去や彼が置かれた状況を考えると、理解できなくもないのですが。
まあ、映画のトーリンにハマってるから、かなーりトーリン寄りの偏った見方ですけどね。
おじいさんトーリンだったら、違ったふうに思ったかも…なんて(笑)

***

おじいさんトーリンで思い出したのですが、トーリンの年齢設定が、原作と映画とでずいぶん違う問題。

邦訳で読むと、日本語の特殊な口語表現ゆえに年齢設定の高さを感じさせるのでしょうが(映画のイメージでいくと、『指輪物語』の追補編で出てきたトーリンの口調に衝撃を受けました…「ですのじゃ」とかって言ってるし)、英語版の場合は、そういう特徴はないので、年齢はほとんど感じさせません。

…なので、映画のRAさんのイメージで読んでも、ほぼ違和感なし。
いちいちRAトーリンを思い浮かべるので、余計にトーリンに肩入れしてしまうという…(苦笑)

『指輪物語』は邦訳で読んだのですが、『ホビット』はまだ邦訳を読んでいないので、なんとも言えないのですが。

言語的な違いのためか、英語で読むのと、日本語で読むのとでは、印象がずいぶん違うように思います。

…その違いをうまく言葉では説明できないけど。

そういうわけで、『ホビット』の邦訳も読もうと思うし、『指輪物語』の英語版も読んでみたいと思っている次第です。

『シルマリルの物語』とか『終わらざりし物語』とかも読みたい…って思ってるし、まだまだ道は長い…。
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16:53 原作ネタ | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
No title
読了おめでとうございます。
わたしは、これからです(笑)

感想への感想がいろいろとありすぎて何から書こうかとまごついてしまいますが、

映画公開直前予習(というか、前に読んではいたので「復習」かな)で岩波少年文庫版を読んだのですが、
何を間違ったのか電車の中で、一等最初に広げてしまったシーンでトーリンはビルボにこう呼びかけました。
「さらばじゃ。わが親しき忍びの者よ」と。

ええ、おそらく「Farewell, good thief」の訳ですね。
前後関係をすっかり置いといて、この一言だけで涙が止まらなくなりました。
ビルボが長く冗談すらいえないほど悲しんだというのもうなずけます。

トーリンは、深手を負いながらも戦場から運び出されたわけですから、二人の甥っ子が自分をかばって倒れたのを目の当たりにしていたでしょう。その後の二人の安否は、もしかすると誰からも告げられていなかったかもしれませんが、
二人が自分より先に父祖のもとへと旅立ったことは気づいていたでしょうね。察するに余りあるつらさだと思います。
そして、せっかく守られたのに自身もこの先長らえることはできないこともわかっていたでしょうから、なおのことつらいですよね。
そして、自らが追い出したホビットのこと。
きっと、「思いがけない冒険」のラスト近くで、ガンダルフに解放されて目覚めたときに口をついたあのひとこと
「ホビットは?」と同じ一言をまたガンダルフに向かってつぶやくのではないかと思います。
あのとき「安心せい。ここにおる。無事じゃよ」と言ったガンダルフが、今度は答えを言いよどむ。
なにしろ行方不明なのですから。
ああもう、想像するだに悲痛な場面です。
これが子供向きだなんて、うそでしょう、と言いたいですよね。
No title
NEKOさま、こんにちは☆

感想の感想、ありがとうございます!

邦訳では「さらばじゃ。わが親しき忍びの者よ」となっているんですね。
私も、実は、フライング?して、もう少し手前を読んでいたときに、先の展開をパラパラとめくっていたら、ちょうどこのセリフに行きあたって、あいだの展開をすっとばしていたにもかかわらず、思わず涙ぐんでしまいました。
短い、たったこれだけのひと言のセリフですが、これだけでトーリンの思いをすごく雄弁に語っている、心憎いセリフだと思います。

それから、フィーリとキーリについて。

>そして、せっかく守られたのに自身もこの先長らえることはできないこともわかっていたでしょうから、なおのことつらいですよね。

…そうですよね。
考えてもみませんでしたが、たしかに、彼らが命がけで守ってくれた自分の命もまたつきようとしている…なんて、本当に哀しすぎることだと思います。

セオデンのように、栄光に包まれて、ある意味では満足もして父祖のもとへ向かう…というのとは違って、大切な、しかも自分よりも若い家族が犠牲になった場面を目の当たりにしながら死んでいかなければならないなんて、彼の心情を考えただけでもつらすぎます…。

>あのとき「安心せい。ここにおる。無事じゃよ」と言ったガンダルフが、今度は答えを言いよどむ。

その場面、頭の中で完璧に想像できました…イアン・マッケラン氏の表情とともに。

PJがどんなふうに映像化してくれるのか分かりませんが、いずれにせよ3部作の最後は、涙なくしては見られないものになりそうですね。
ほんとに子供向きだなんて言われているのが信じられないくらい、深い物語だと思います。

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