05月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

『最強のふたり』感想

2015/02/08
これまた感想を書き忘れてた…(汗)

しばらく前にHuluで観たフランス映画『最強のふたり』の感想です。


最強のふたりコレクターズエディション(初回限定仕様) [Blu-ray]最強のふたりコレクターズエディション(初回限定仕様) [Blu-ray]
(2013/03/22)
フランソワ・クリュゼ、オマール・シー 他

商品詳細を見る


これ…フランスでは歴代観客動員数3位(『タイタニック』、『Bienvenue chez les Ch'tis』に次ぐ)の大ヒットを記録した映画で、日本でもヒットしたらしいんですが、映画に関してはアングロサクソンに傾倒気味の私は知らんかった。。
…が、最近、某所でしばしばこの映画のことを耳にする機会があって、Huluにちょうど入ってたので観てみました。

この映画は、事故により首から下が麻痺した大富豪フィリップと、その身の回りの世話をすることになった社会的に恵まれない移民の青年ドリスの交流を描いた物語。
なんと、実話がもとになっているそうで(…ただし、映画では移民の青年はアフリカ系になっているものの、実際はマグレブ系の青年だったそう)。

身体障害や移民といったテーマをあつかった社会派っぽいヒューマンドラマのようで、少々重たい作品かと思って観たら、いろんな意味できわどいユーモア満載の、コミカルな要素を多分に含んだ映画でした。
テーマ自体はシリアスだけど間口は広いというか、いろいろ考えさせるところはあるものの、エンタテイメント作品としても優れた映画で、大ヒットも納得。

最近は、某新聞社の事件で、日本でも「華やかな国」フランスの抱える影の部分が知られるようになってきたかと思いますが、この映画でも、複雑な家庭事情や貧困、移民の人たちが集まるバンリュー(パリ郊外)のHLMらしき集合住宅、若者の失業、青少年のドラッグなど、そうした問題の一端を垣間見ることができます。

…ま、この映画は、実話とはいえ、何もかもうまくいくハッピーエンドなので(…フランス映画にはめずらしい!)、現実はほとんどの場合そんなに甘くはないのは間違いありませんが。

映画では、冒頭のシーンのあと、時系列がさかのぼって、ドリスとフィリップの出会いから別れ、再会を描き、冒頭のシーンにもどってさらにそのあとまでが語られます。

彼らの出会いは、ドリスが、全身に障害のある大富豪フィリップの世話係に応募して面接を受けるところから始まります。
といっても、ドリスは、世話係として働く気はなく、ただ単に失業給付の手続きのために就職活動をしたことを証明する書類が必要だから面接を受けただけ。
…が、少々へそ曲がりのフィリップは彼を雇うことにします。

…と、出会いからしてシュール。

フィリップは、生まれつき障害があったわけではなく、裕福な家に生まれ(実話ではコルシカにルーツをもつ貴族だとか)、経営者としてバリバリ働いていた矢先、事故で首から下が全身麻痺になってしまった男性。
子どものころから上に立ってすべてを支配するよう躾けられてきたこともあり、何ひとつ自分自身ですることができず、周囲から同情される日々にいら立っています。
そんな気難しいフィリップは、これまで何人もの世話係をクビにしています。

周囲は、犯罪歴があり、世話係としての経験ももたない移民の青年を雇ったフィリップを心配しますが、そんな心配をよそに、フィリップとドリスはしだいに信頼関係を築いていきます。

フィリップがドリスを気に入ったのは、ドリスが、フィリップに対して腫れ物に触るように扱わなかったからでしょうね。

それは、よくあるように、フィリップを障害者として扱わなかった…というわけではなく、時として遠慮のない物言いや不躾な質問をしたり、彼の障害をからかったり…つまりはフィリップが障害者だからといって、一切気を遣ったり同情したりしなかったということ。
とはいえ、同情されることにいら立っていたフィリップにとっては、そんな遠慮のない態度が心地よかったわけで。

だんだんと、二人のあいだには、雇い主と世話係という関係を超えて、友情が芽生えていきます。
二人とも、立場はまったく違うとはいえ、社会の中ではマイノリティ側に属しているので、そんな二人だからこそお互い許しあえているような、危険なほど遠慮のない、対等でまっすぐな関係です。

おもしろいのは、二人の文化の混合。
お互いに育った社会的環境がまったく違うので、文化的なバックグラウンドもまったく違っていて、フィリップがオペラや室内楽、絵画といったいわゆるエリートの文化を好むのに対し、イマドキのポップスなど大衆文化の中で育ったドリスは、フィリップが愛するエリートの文化を理解せず、笑い飛ばします。
…が、最終的にはお互い影響を受けあって、フィリップはイマドキの音楽を楽しむようになるし、ドリスはドリスで、なんだかんだ言って絵画や詩を語っちゃったりするし。

それから、ドリスとの出会いが、池に投げ込まれた小石のように、フィリップとそのまわりの人たちにさまざまな変化を引き起こして、すべてが良い方向へ向かっていくというポジティブさが良かったです。
フィリップは、もともと上流家庭に生まれ育ったために、感情を素直に表に出すタイプではないうえに、障害ゆえに頑なになり、殻に閉じこもってしまっていたのですが、ドリスとの出会いによって、文通相手の女性への電話やデートにまで踏み切ることができたり、反抗期の娘をきちんと叱ることができるようになったり。

ドリスは、恵まれない家庭環境で育ったためにいろいろと問題を抱えてはいるものの、いわゆる常識をちゃんと身につけているし、なんだかんだで困っている人を見ると放っておけないタイプ。
フィリップの娘の生意気な態度に腹を立てながらも、彼女が恋人のバスティアンの言葉に傷ついているのを見ると放っておけなくて、バスティアンのところへわざわざ行って彼女に謝るよう叱り飛ばしたり。

それでまた、バスティアンも、生意気ぶってたくせして、毎朝クロワッサンをもって謝りに来たり…と、この映画に出てくる人たちはみんな、欠点や問題を抱えているんだけど憎めないというか、ある意味それがリアルで、みんなそうやって生きてるんだよね、と思いました。

観終わってしばらく経つので、散漫な感想になってしまいましたが(汗)
なんていうか、実話とはいえあまりにすべてがうまくいきすぎていて、理想的すぎるといえばそうなんですけど、でもそこにはやっぱり実話ならではのリアリティもあって。
刺激は強いですが(笑)、飾らない人間的な温かみをすごく感じる映画でした。

ラストも、フランス映画にはめずらしく(?)疑問が渦巻く終わり方ではなく、すっきりとさわやかに終わっていて、私にとっては良かったです(笑)

***

実話をもとにした映画…ということで、ホンモノのフィリップさんが書かれた本があるようです↓


Le Second SouffleLe Second Souffle
(2012/05/03)
Philippe Pozzo di Borgo

商品詳細を見る


あと、こっちはドリスのモデルになった、フィリップさんの介護人アブデルさんの著作↓


Tu as Change MA VieTu as Change MA Vie
(2013/04/12)
Abdel Sellou

商品詳細を見る


映画がなかなか良かったので、お財布に余裕ができたら買って読んでみようかな…と思っています。


スポンサーサイト
17:47 映画感想 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。