09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

『幸せはシャンソニア劇場から』の感想

2016/01/25
あけましておめでとうございます

…って、1月ももう終わりにさしかかってますが…(大汗)

リア充でもなんでもないんですが(哀)、オフラインが忙しかったこともあり、ブログは放置に放置を重ねてしまいました。。
サボりぐせがつくと、ますますサボっちゃう…。

今年も、ちょっといろいろ忙しくなりそうなんで、どの程度更新できるか分かりませんが、IL DIVOの来日公演もあるし、KYOもニューアルバムを出すらしいし、ぼちぼち書いていきたいなぁ…とは思っているので、マイペースにおつきあいいただけたら幸いです。

…ということで、今年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

んで。

今日はというと、実は、書きかけでほったらかしてた記事がありまして。
このままお蔵入りさせるのもアレなんで、アップしようかと思います。

ひさしぶりに映画の感想です。

…といっても、映画館にはしばらく足を運んでいないので、Huluで観た映画です。
Huluは、海外ドラマのラインナップはなかなか充実してるんだけど、映画のほうはイマイチ。
でも、時々掘り出しものの映画が入ってるので、たまに観てます^^

今回観たのは、仏・独・チェコ合作の映画『幸せはシャンソニア劇場から』(2008年)。



舞台は、第一次大戦と第二次大戦の戦間期、1936年のパリ。
不況による資金繰りの悪化から閉鎖に追いこまれた下町の劇場「シャンソニア」の裏方として長年働いていた主人公ピゴワルが、かつての仲間たちとともに劇場の再開に奮闘するお話です。

下町の劇場を舞台に、ユーモアと悲哀がうまくミックスされた、ホロリとさせながらも心温まる映画。
劇中で歌われる、レトロでありながらどこか現代的な雰囲気も感じさせる美しい楽曲の数々もとても素敵でした

以下、ネタバレありで感想書きます↓

映画の冒頭。
主人公ピゴワルが、警察で取り調べを受けている場面から映画は始まります。

会話から、どうやらピゴワルが、殺人犯として取り調べを受けているらしいことが分かりますが、詳しいことは明かされないまま、舞台は下町の劇場「シャンソニア」へ。
「シャンソニア」では、1935年末の公演が始まろうとしています。

この警察署での場面が、1935年末の「シャンソニア」での出来事の前なのか後なのか、両者の場面のあいだに時間が離れているのか否か…よく分からないまま物語が展開していきますが、これは、警察署で取り調べを受けているピゴワルが、過去を回想しているという設定。
ただ、最後まで観ないと、そのあたりはぼかされています。

***

物語は、不況の中、1935年末に資金難で「シャンソニア」が閉鎖に追いこまれるところから始まります。

劇場閉鎖によって失業しただけでなく、妻の不倫が原因で離婚する羽目になったピゴワル。
ひとり息子のジョジョと暮らすことになりますが、ピゴワルには内緒で、町中でアコーディオンを弾いて生活費を稼いでいたジョジョは補導され、元妻のもとへ引きとられていきます。

何とかしてジョジョを引きとりたいピゴワルですが、定職につかないかぎり、それはムリ。
しかし、不況下で就職することは難しく、再起をかけて、かつての仲間たちとともに劇場を再開させることに…。

***

落ちぶれた主人公が再起をかける展開、音楽をテーマにしたストーリーは、以前観た『オーケストラ!』(2009年、仏)を思わせますが、こちらは戦間期フランスの下町が舞台ということで、レトロな雰囲気、そしてコミカルな中にどこか悲哀を感じさせるのが特徴です。

「シャンソニア」があるのは、パリの「faubourg(フォーブール)」という設定。
フォーブールというのは、街の中心部と郊外(バンリュー)のあいだにある街の周縁部なのだそうですが、映画に登場するフォーブールは、やたらと階段の多い町並みやエッフェル塔の位置関係から考えてモンマルトルなのかな…と。

映画の原題は、「Faubourg 36」。
これは、再興した劇場の名前(「シャンソニア」改め)にもなっています。
「36」というのは1936年ということなのだと思いますが、「フォーブール」がタイトル、劇場名にもなっているくらい、すごく重要なんですよね。

いわゆるブルジョワではなく、労働者や小商店主、失業者が暮らす、庶民的な下町。
そこが舞台だからこその、気取らない味わいがあります。

***

一方、もう1つ、重要な場所として登場するのが「海」。

…といっても、場面に登場するというよりは、下町に暮らす庶民にとって憧れのバカンスの地として、「海」という言葉が登場します。

映画の舞台である1930年代は、フランスでは人民戦線政府の時代。
劇中でも、ブルム首相が…なんてセリフがたびたび登場していましたが。

私は戦間期のフランスには詳しくないのですが、たしかこの頃に有給休暇が制度化されたんだったと思います。
そういや、劇中でマティニョン協定のことがチラッと出てましたが、これが労働者がバカンスに出かけて、庶民がレジャーを楽しむことができる第一歩になったんではなかったかと…。

ピゴワルたちにとっても、「海」は憧れの地。

でも、映画の最後のナレーションで、ピゴワルは結局、海には一度も行かず、フォーブールを出ることはなかった…と語られます。
「憧れの地」は憧れのままで終わったわけですが、波乱の人生を歩むことになってしまったピゴワルにとっては、フォーブールこそが自分の生きる場所で、そこを離れなければならなかった経験から、二度とそこを離れるまい…と固く決意したのかもしれません。

ピゴワルという人物は、いかにも下町に暮らす昔かたぎで不器用で人情味あるおじさん…といった風情で、それがまたこの映画の悲哀ある雰囲気とぴったりなのです。

***

時代背景に関してもう1つ。

映画に登場する悪徳不動産業者ギャラピアは、どうやら極右的なファシスト組織に参加している模様。
一方、ピゴワルとともに劇場再開に奮闘するミルーことエミールは、自称「赤軍に参加していた」共産主義者(まったく関係のない話ですが、この「ミルー」というニックネーム、『タンタン』に出てくる白い犬―日本では英語版準拠で「スノーウィ」と言うんでしたっけ?―と同じだなぁ…と・笑)。

1930年代といえば、ドイツではヒトラーが台頭し、一方ではソ連が影響力を増していた、左右両極に振っていた時代。

でも、興味深いのは、ピゴワルや友人ジャッキー(彼は、極右組織に利用されていたとはいえ)は、どちらの主義主張にも共鳴していないこと。
日々の暮らしを精一杯生きているごく普通の庶民である彼らにとっては、どちらの主張も、地に足がついていない極論で、まったく共感できないものに思えたんじゃないでしょうか。

なんだか、そんな愛すべきごく「普通の庶民」臭さが、左右両極の極端な主張と際立ったコントラストをなしていて、この映画の魅力になっているなぁ…と思ったのでした。

…あ、ちなみに、共産主義者を気取ってたミルーも、なんちゃって共産主義者でしたね。
彼もまた、普通の庶民なのでした(笑)

***

さて、フォーブールにある劇場を舞台に、ピゴワルとひとり息子ジョジョの絆、新人歌手ドゥースと劇場の裏方ミルーのロマンス、ピゴワルと劇場の仲間たちの友情、引きこもりの「ラジオ男」の過去、悪徳不動産業者ギャラピアの妨害工作…と、さまざまな物語が繰りひろげられるこの映画。

一度は劇場の再興が失敗するのですが、物語の後半になって、ジョジョはピゴワルのもとに戻り、ミルーとドゥースの恋は成就し、「ラジオ男」は「偉大なるマックス」に戻り、劇場は大成功。

…これは大団円でハッピーエンドか…と思いきや。

そこで終わらないのが、フランス映画ですね、はい。

思い出さなければならないのは、冒頭、警察署で取り調べを受けていたピゴワルの姿。
凶悪犯罪なんかとは無縁の善良なピゴワルでしたが、ドゥースへの横恋慕からギャラピアの手下によってジャッキーが殺されたことにキレてギャラピアに復讐しようと飛びだしたミルーを追いかけていき、結果的にはピゴワルがギャラピアを殺してしまうことに…。

せっかくの成功も、ジョジョとの生活も、これでパア。
…切ない。。

結局、ピゴワルは刑務所へと入り、仲間たちは別の興行主とともに旅回りをすることになった…というようなことが、ジョジョのナレーションで語られます。

映画のラスト、刑期を終えたピゴワルは、アコーディオン弾きとして成功したジョジョの公演が行われている劇場へと戻ってきます。
ピゴワルとジョジョ(…もう、大人になっているはず)との再会の場面は描かれませんが、ジョジョのナレーションから、きっと2人は再会を果たしたんだな…と匂わせてエンディング。

すべてを映像やセリフで描ききるのではなく、しんみりと余韻をもたせつつ終わるのは、やっぱりフランス映画だから?
人情味があって、ほろりと切ないながらも温かさの感じられる作品でした。

ちなみに、ふと考えたんですが、まあ1936年が舞台で、すぐに第二次大戦に突入するので、ピゴワルが刑務所に送られなくても、なかなかに大変だっただろうなぁ…とは思いますが…。

***

さて、この映画は、舞台がミュージックホールなだけあって、とりわけ後半では、たくさんの歌が劇中で歌われます。
1930年代をイメージしたレトロな雰囲気の楽曲ですが、そんな中にも現代的な風合いもあって、どれもとても素敵な歌です。

特に耳に残っているのは「Le Môme Jojo」ですが、いちばん好きなのは、ドゥースが歌う「Un recommencement」かなぁ。
ドゥース役のノラ・アルネゼデールという女優さんは、ほとんど紅一点な映画にあってすごく美人でチャーミング、歌も良かったです♪

***

素敵な音楽、レトロな雰囲気、下町の人情味…そんな諸々がつまったほっこりできる映画でした。
寒い日にはコタツにこもって、この作品を観るのも良いかもしれません^^


スポンサーサイト
17:38 映画感想 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。